米EPA、ブッシュ政権の方針を変更して安全飲料水法の下で過塩素酸塩を規制する意向

米国環境保護庁(EPA)は、ブッシュ政権の決定をくつがえして、飲料水を汚染しているロケット燃料に使われている有毒化学物質を規制することを望んでいる。

EPAの状況報告を受けた当局者は2010年9月30日、同庁は、安全飲料水法(SDWA)の下で過塩素酸塩(パークロレート)を規制することを提案していると述べた。この計画は、現在関係各省庁での見直しの過程にあり、最終決定がなされていないという理由で、この当局者は名前を明かすことを望まなかった。

過塩素酸塩は、甲状腺機能を妨げ、人々、特に乳幼児と胎児、に発育上の問題を確実に引き起こす濃度で少なくとも35州で飲料水中に見出されている。

国防総省(DOD)は、ロケットやミサイルを試験する際に数十年間過塩素酸塩を使ったし、ほとんどの過塩素酸塩汚染は、防衛と航空宇宙に関する活動から生じている。

2008年、George W. Bush大統領の下で、EPAは、連邦の基準を設定しても地域住民の健康に対するリスクを減らすことにほとんど効果がないと言って、過塩素酸塩を規制しないことに決めた。この決定は、環境保護団体や民主党の議員を怒らせた。

DODとEPAは、基準によって各地の水当局が金のかかる浄化に取り組まなければならないことになると、DODは責任に直面する可能性があるので、何年間もこの問題について取っ組み合いをしてきた。DODの当局者は、EPAの決定に影響を与えようとしたことはないと言い、過塩素酸塩の排出量は、処分方法が改善されたので、減っていると主張している。

カリフォルニア州やマサチューセッツ州のような州は、独自の基準を設定している。

EPAのBetsaida Alcantaraスポークスパーソンは9月30日の声明のなかで、同庁は、過塩素酸塩のための飲料水基準を設定するかどうかについて最終決定をする過程にあると述べた。

そして同スポークスパーソンは「昨年Jackson長官は、過塩素酸塩に関する科学的知識を再検討し、もっとも影響を受けやすい人々、乳児、幼児への影響を考慮するよう指示した」と述べた。

政府監査院(GAO)は連邦議会の調査部門であるが、その8月の報告書には、過塩素酸塩の主な連邦機関のユーザーは、DOD、アメリカ航空宇宙局(NASA)およびエネルギー省であると書かれている。

GAOは、これらの省は、過塩素酸塩の排出量を減らしていて、関係施設で検出されている過塩素酸塩の大部分は過去の処分のやり方から生じたものであると言ったと述べた。

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