洗濯洗剤へのリン酸塩の使用を制限するEU規則案(欧州委員会が2010年11月に発表)を欧州議会で担当するNewton Dunn議員(英国選出)は2011年3月30日、同法案に関する修正決議素案をまとめた。4月18日に環境委員会に提出する予定で、欧州議会における同法案の実質的な審議が始まることになる。
この法案で欧州委員会は、2013年元日からEUで上市される家庭用洗濯洗剤に含まれるリン酸塩およびリン化合物を製品総重量の0.5%までに制限することを提案している。同議員は今回、食器洗浄器用洗剤も対象に含めて2015年元日からこの制限を適用するよう提案し、これを支持する声が既に環境委員会内にあるとしている。一方、洗濯洗剤については、上限値を総重量に占める割合ではなく、標準的な洗濯1回に使われる絶対量(0.5グラムまで)で示すことを同議員は提案している。そのままだとメーカーが、より濃縮度の高い洗剤を作ることにつながるからである(しかもコンパクトな洗剤は従来品より環境に優しいと見られている)。
なお工業用・業務用洗剤に関しては、欧州委員会の原案と同じく、同議員も“適切な代替物が未だ利用可能ではない”との認識で一致し、何の制限も提案していない。しかしながら、これらについて将来の規制を念頭に欧州委員会が研究を行い、結果を2016年末までに発表するとの一文を法案に盛り込むよう同議員は提案している。
同議員の修正決議素案は下記ウェブサイトで閲覧可能。
http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2009_2014/documents/envi/pr/857/857940/857940en.pdf
また欧州議会の下記サイトでは、同法案の審議状況と関連文書が閲覧可能。これによると法案は今のところ2011年6月15日に環境委員会を通過し、9月に本会議に諮られる見通しであるという。
http://www.europarl.europa.eu/oeil/FindByProcnum.do?lang=2&procnum=COD/2010/0298