ベトナム政府は2011年1月末現在、水資源法の改正法案を作成中で、近く公表される見込みである。同改正法の狙いは、効果的に水資源を保護し、水を節約して使用するとともに、水による災害を未然に防止し克服することなどを含め、水資源に関する国家の管理を強化することであるという。
この改正法案は11章104条から成り、1998年の水資源法に比べ、66条が新たに追加され、38条が補充・改正された。一方で、1998年の水資源法の第3章(灌漑施設の開拓・保護、水資源分野の検査、違反処分などに関する章)は廃除された。同時に、新たに4つの章が補充された。それらは、水資源の戦略・計画、水資源についてのデータ・情報及び水資源の基本調査・評価、水資源に関するライセンス、そして最後は水資源関連の財政問題に関するものである。
水資源法の改正の理由について資源環境省の大臣は、同法は12年前に実施されたが、実施されて以来、同法は多くの不合理な点を露にしてきたため改正の必要があったと述べた。具体的には、水資源の開拓・使用・保護に関する規定は他の法律でも規定されていた。例えば、投資法、環境保護法、土法、鉱産法などである。これらの法律は新たに改正・補充され公布されていながら、水資源法に関する規定はまだ調整されないままとなっていたので水資源法の改正が必要となっていた。
水資源法の改正案は次の4点に重点が置かれている。
(1) 免税、減税及び資金援助を通じて、節約と効果的な水利用、開発工事及び地下水開発工事への投資を促進し、また科学技術の研究開発や適用を企てる組織・個人を激励・優待する。
(2) 水源の開発・保護活動及び給水サービスを社会的産業として育成する。水資源の保護及び水による被害の予防・克服のための事業活動に対し、市民が資金を拠出するよう激励する。
(3) 水資源の基本調査、水資源の監視・警告・予測システムの構築、水資源計画の策定、情報データシステムの構築、水による汚染及び被害の予防対策の計画、水源の調整・配分の計画、などに資金を優先的に投入する。
(4) 水資源を経済的資源として活用する。現在、水資源のための国家予算が少ないからである。