米国のGrace F. Napolitano下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)は2011年7月27日、「2011年海水淡水化法再授権法(Reauthorization of Water Desalination Act of 2011)」案(H.R. 2664)を提出した。
この法案は、海水淡水化の研究開発プロジェクトに資金を提供するものである。
同議員は、「淡水化は、もう1つの有望な水源である、特に西部の州にとってはそうである。このようなプログラムは、連邦政府の支援を受けるに値する。われわれが引き続き海洋から新しい水を生産する技術を完全なものにし、コストを下げることができれば、信頼性のある干ばつに負けない水源と強力な経済成長の原動力を手に入れることになる。淡水化プロジェクトへの資金提供は1996年に始まったが、それ以来淡水化の改善に役立つことがいくつか発見されているので、これらのプロジェクトを適切に支援すれば、引き続き淡水化技術がいっそう進歩することになるだろう」と述べた。
この法案は、「1996年海水淡水化法(Desalination Act of 1996)」に再授権させるもので、2016年まで毎年200万ドル(約1億5000万円)を割り当てるものである。
1996年以来、50州の半数を超える州のプロジェクトや調査に資金が提供された。特にカリフォルニア州だけで38件のプロジェクトが資金を得た。
このようなプログラムによって発見されたものの一部は、次のとおり。
- 塩分を含む廃水の処理法を見つけ出した。
- 共通の淡水化の構成要素の統一業界基準を定めた。
- 地下水の脱塩をするための「汽水」プロジェクトへ資金を提供した。
- 環境被害をできる限り少なくするために海底下から海水を取水する方法を見出した。
- 淡水化を改善するために逆浸透膜の前処理を開発した。