米国環境保護庁(EPA)のLisa P. Jackson長官は2011年6月17日、WaterSenseプログラムの5周年を記念するために、オハイオ州North OlmstedにあるMoen Incorporatedの施設を視察した。この会社は、「2010年年間最優秀WaterSense製造者パートナー(2010 WaterSense Manufacturer Partner of the Year)」に選ばれている。
同長官は、Moen社のU.S. Businessesユニットを率いるMike Bauer氏とNorth Olmstedが位置するCuyahoga郡のEd Fitzgerald郡長官とともに、同社の研究所の所員と話をし、研究施設を視察した。そこでは、Moen社のWaterSenseラベル製品の設計と同社の水栓によって消費者の水とお金が節約されることを保証するための試験が行われている。
Jackson長官は、「国民は、我が国の水域を大事にし、保護したいと思っている。そのことは、国民がEPAや公選された高官に表明する優先事項においてだけでなく、購入する製品や消費者として下す決定によっても疑う余地はない。この5年間に、EPAのWaterSenseによって、消費者はお金を節約し、貴重な水資源を大事に使うことができるようになっている。われわれは、Moenのような企業が道を開き、全国で米国の労働者のために雇用を創出し、かつ米国の家庭がお金を節約し環境を保護する手伝いをしていることを知って誇りに思う」と述べた。
EPAとWaterSenseパートナーは、米国人が1250億ガロン(約5億7000万m3)の水と20億ドル(約1600億円)を超える額の水道光熱費を節約するのに一役買った。また、このプログラムは、水の消費量を削減することで、二酸化炭素の排出量を600万トン削減し、米国人の健康を守った。
WaterSenseプログラムは、地方の水道事業者、政府、製品メーカー、および小売業者を結集させて、水の使用効率の優れた製品、プログラム、および慣行のための革新的アイデアや製品設計を通じて水の効率的な使用の普及を促進し、市場を強化している。このプログラムは、節水するための簡単な方法を消費者に提供するとともに、標準モデルより水の使用量は最低でも20 %少なく、それでいて標準モデルと同等かそれ以上に機能する製品を特定している。
節水のためのヒントは、次のとおりである。
- 水道メーターをウォッチせよ。漏水を見つけ出すには、メーターの目盛りを読んだ後、2時間家庭で水を使わないようにする。その間に目盛りに変化があれば、漏水している可能性がある。
- 歩道に水をまかない。屋外で水を使うと、余分にまいてしまうことが多いので、使った水の半分ぐらいが、風、蒸発、流出などによって失われる。スプリンクラーは、植物だけに水が撒かれていることを確認せよ。
- 蛇口を締めよ。デンタルフロスを使っているときや歯磨きをしているときは蛇口を締めよ。歯磨き中に蛇口を開けっ放しにしておくと、8ガロン(約36リットル)の水を無駄にする恐れがある。
- 台所での水の無駄使いを止めよ。食器を水ですすがないで、ゴムベラでこすって汚れを取る。食器洗い機は食器が目いっぱい入る時だけ使え。
- 水栓をWaterSenseラベルのついたものに取り替えよ。水栓が古くなって取り替えが必要になったら、節水し、環境を守るためにWaterSenseラベル製品を探せ。
2006年に始まったWaterSenseは、水の使用効率の優れた製品、新築住宅、サービスなどを用いて水の使用を減らす簡単な方法を人々に提供して、米国の給水の将来を守ろうとする、EPAが後援しているパートナーシップ・プログラムである。2300を超えるパートナー(協力企業)が、3700種のさまざまなWaterSenseラベルのトイレ、蛇口、シャワーヘッド、小便器、新築住宅などを生産し、販売促進を行っている。これまでにほぼ5300万種の製品が、WaterSenseラベルを獲得している。
WaterSenseプログラムに関する情報は、以下のURLで入手できる。
http://www.epa.gov/watersense