米環境保護庁、第7支局が特定した排水許可プログラム・プロセスの改善を全国に適用する計画を発表

米国の環境保護庁(EPA)は、2011年7月7日に発表した報告書のなかで、水質汚染の低減を目的とする国家汚染物質排出削減システム(NPDES)の排水許可プログラムについて、第7支局が特定したプロセスの改善を全国的に導入するつもりであると述べた。

この報告書Agency-Wide Application of Region 7 NPDES Program Process Improvements Could Increase EPA Efficiency(第7支局のNPDESプログラムのプロセス改善をEPA全体に適用すればEPAの能率を高める可能性がある)の要点は、次のとおり。

1999年から2009年の間、NPDESの許可者の数は、新規則の策定などを理由に37万2700から95万超へと2倍以上に増えたが、それによって許可はさらに複雑になり、作業量も増加した。そこで、EPAの第7支局が管轄している州の政府が、NPDESプログラムの効率を改善する余地があるかどうかを見つけ出すために、「Kaizen(改善)」イベントを開くよう要請した。
Kaizenは、継続的な改善という日本の企業理念に由来し、最初は製造分野で使われていたが、現在ではそれ以外の多くの分野でも使われている、ビジネスプロセスの改善(business process improvement)技術の1つである。
第7支局とその管轄州の政府は2008年8月、NPDES許可を与えるプロセスを検討し、それが改善されたり効率を高めたりするように設計しなおすことを目的として、EPA本部からの参加者とともに、「Kaizen」イベントを実施した。
EPAが許可、検査、パフォーマンスの検討に関してコミュニケーションの改善が必要だと認識していたことも、このイベントの開催を後押しした。
EPAの監察総監室はこのイベントの監査を行って、作成されたのがこの報告書である。

このイベントでは、ほかの支局の管轄地域でも使える可能性がある、3つのプロセスの改善、すなわち、技術的な問題とコミュニケーションの解決、州政府の許可および施行の監視の検討、そして年次戦略的計画の立案、と1つの実施措置、すなわち、データの収集と報告、が特定された。

EPA全体、すなわち、全国的に許可プロセスを変更すれば、よりよいコミュニケーションが得られ、州政府において時間とコストが節約され、検査・検討・データ報告の重複が避けられることになる可能性がある。

このイベントから学んだ教訓を使えば、今後のプロセス改善の取り組みで得られる潜在的な利益を増すことができる。

この報告書で行われた勧告は、次のとおり。

  • EPAの副長官は、水局(OW)と施行・法令遵守保証局(OECA)に対して、このイベントによって改善されたプロセスでほかの地域に使えるものを特定するよう指示する。
  • EPAの副長官は、政策局(OP)に対して、ビジネスプロセスの改善イベントの計画・設計・開催の仕方に関する国策を策定するよう指示し、また、ほかの支局に対して、OW、OECVA、OPと協力して、勧告したプロセス改善を実施するよう指示する。

EPAの報告書は、以下のURLで閲覧できる。
http://www.epa.gov/oig/reports/2011/20110706-11-P-0315.pdf

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