オーストラリアにおいて水関連事業を展開するUnitywaterは2011年9月23日、Caboolture 下水処理プラントから排出される処理下水浄化のための新しい手法の開発にクイーンズランド大学の応用水管理センター(AWMC)およびVeolia Waterの研究者らと共同で取り組んでいることを発表した。AWMCは水処理薬剤をリサイクル過程において使用した際の水質への影響を試験している。同プロジェクトは下水処理プラントに設けられた専用の設備を用いて実施されており、Veolia Waterオーストラリア、Seqwater、クイーンズランド大学からの出資を受けている。
第一段階では、異なる排水処理技術によって処理された廃液の評価を行う。第二段階では膜ろ過システムの性能評価を実施し、給水水質へ及ぼす影響を評価する。Unitywaterの最高経営責任者であるJon Black氏は「これまでにCaboolture 下水処理プラントでいくつのもの研究をAWMCと行ってきたが、これは最新の共同研究である。Unitywaterは持続可能な技術を調査、追跡そして採用し、産業界で最先端の調査に積極的に関わっていく。モートン湾およびサンシャイン・コースト一帯は最も急速に発展してきている地域であり、そこに居住する我々の顧客がこれからも安全で信頼できる高純度の水を利用できるよう継続して努めていく必要がある」と語っている。
Marc Pidou研究リーダーによると、同プロジェクトは2011年3月に開始され、同年12月に完了する予定であるという。同氏はまた、「これまでの研究の結果、逆浸透(RO)膜システムの安定性や性能が証明された。特に、生産された高純度の水は様々な用途で再利用できることが確認された。現在は、最適な条件を決定するための評価システムに取り組んでいる」と語っている。また、Veolia Waterの研究開発マネージャーであるYvan Poussade氏によると、継続的な改善、イノベーションそして持続可能な技術の開発はVeolia Waterの事業の中心であり、プロジェクトへの資金提供に同意したという。同氏はまた、「我々はクイーンズランド南東部を含め、世界中で最先端の水リサイクル施設を設計、建設そして運営している。気候変動、工業化、そして都市開発によって徐々に供給される水の質や量が逼迫する中、その土地に適したサービスを供給していく」と語っている。