中国重慶市では2011年10月1日、三峡ダム地域流域の水質環境保護強化を目的として、「重慶市長江三峡ダム地域および流域水質汚染防止条例」が施行された。
本条例では、飲用水水源保護の章を設け、飲用水水源保護区制度を創設し、一級保護区、二級保護区、準保護区を決め、特別に保護することとした。保護区はそれぞれ以下のように規定がされている。
- 準保護区:汚染排出口の設置と、水を汚染する可能性のある物品の投棄または貯蔵を禁止。
- 二級保護区:準保護区の規定に加え、ごみ・油類・その他有毒有害物質の積み卸しをする埠頭、水上レストラン、アミューズメント施設の設置を禁止。また、船舶の停泊、砂採取、家畜放牧、ネットによる養殖などを禁止。
- 一級保護区:準保護区、二級保護区の規定に加え、観光、水泳、魚釣りその他の飲用水水源を汚染する可能性のある活動を禁止。
また、条例では安全上特別の条件を満たすプロジェクトを除き、汚染物を排出する新設の工業プロジェクトについてはインダストリアルパーク内で、化学工業のプロジェクトについては化学インダストリアルパークで行わなければならないとし、化学インダストリアルパークの外に化学工業プロジェクトを拡張することを禁止している。条例は更に既設の工業プロジェクトがインダストリアルパークに移転することを奨励している。
インダストリアルパーク設置計画については、その作成において汚染対策施設と汚染物収集システムを並行して計画し建設しなければならないとし、そうでなければ汚染物排出の工業プロジェクトを新設してはならないと規定した。
本条例ではこのほか、畜禽養殖の禁止区域、制限区域を設け、区分による管理に関する規定が盛り込まれた。