中国広東省政府は2011年12月26日、「広東省最厳格水資源管理制度*1実施方案」([粤府弁[2011]89号、以下「方案」)を公表、水資源の開発利用、利用効率改善、水機能区*2の汚染抑制に取り組んでいく姿勢を示した。
「方案」では、2015年までに広東省の水使用量の上限を480億m3以内にするとし、地下水の使用量については22億4000万m3以下、工業用水と生活用水の水使用量については258億m3以下に抑えるといった目標が掲げられている。同時に、工業付加価値1万元(約12万円)あたりの水使用量を2011年比30%以上削減、水機能区における水質環境標準の達成率70%以上を目指す。
「方案」は3つの重点作業を打ち出しており、内容は以下の通りとなっている。
- 水の総使用量抑制
各流域の水資源利用方案策定、用水許可制度の徹底、統一的な水源使用管理制度確立など - 省水型社会の建設の推進
水道価格の改革、省水モデルプロジェクト推進、省水の技術改造および省水器具普及など - 水資源保護の強化
水機能区および各汚染排出口を対象としたモニタリング体系整備の推進、各流域における水量・水質に対しモニタリングシステム確立など
広東省は水道価格調整にも取り組む意向であり、非農業用水価格の引き上げ、生活用水に対する累進式の料金制度を導入するとしている。また、省水管理を全面的に強化し、水の年間使用量が100万m3以上の企業に対しモニタリングを行う。
2012年から広東省は重点を置く河川・湖の水質状況を定期に公表し、「珠江デルタの河道整備および生態修復計画」策定に取り組む。また2013年には「広東省水生態システムの保護および修復計画」を策定、2015年までには珠江デルタの主要な河道の整備・生態修復作業完了を目指す。
*1 最厳格水資源管理制度:水資源管理に関する指針。水利部が中心となり策定する。*2 水機能区:水の機能・性質に基づき範囲を定め等級に割り振り、級ごとに定められた水質基準達成を目指す水域。例えば飲料水の水源は2級に区分される。