台湾環保署、石油化学産業および半導体産業に対する放流水標準を発布、同時に放流水標準と海洋放流水標準の修正版を公表

台湾環境保護署は、2011年12月1日、石油化学業、石油化学専業区における排水処理施設、ウエハー製造および半導体製造業のそれぞれを対象とした放流水標準3件を公布した。また、同日、あわせて関連する放流水標準および海洋放流水標準の修正版を発表した。

今回新たに制定された3件の標準は、リスクマネジメントを目的としたもので、塩化ビニルやベンゼン等の6種の揮発性有機物(以下、VOC)、DEHP等6種の可塑剤、およびアンモニア窒素を規制の対象としている。

環保署の発表によれば、新たな標準3件のうち、石油化学業に関する標準では、24種の規制対象物質を定めている。対象物質の内、6種のVOC(ベンゼン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、塩化ビニル)、および、6種の可塑剤(DMP、DEP、DBP、BBP、DNOP、DEHP等)が主要な追加項目だとしている。また、アンモニア窒素に関しては、水源・水質・水量保護区(以下、保護区)内で排水を行うかどうかやその製造過程に応じて制限値を定める。24種の対象物質のうちVOC6種および可塑剤6種、アンモニア窒素を除くその他11種の水質項目は元の放流水標準と同じとする。アンモニア窒素の管制方式は、保護区内では10mg/L、保護区域外の新設事業では20 mg/Lを適用する。

石油化学専業区における排水処理施設に関する放流水標準では、40種の規制対象物質を定めている。6種のVOCおよび6種の可塑剤等の規制対象物質が主要な追加で、同時に新設あるいは既設工業区を分けてアンモニア窒素管制限度値を制定した。

ウエハー製造および半導体製造業に関する標準では、28種の規制対象物質を規定した。主要な変更は、フッ素塩、アンモニア窒素および総毒性有機物の規制対象物質の追加で、その他25の水質項目は修正前の放流水標準と同じである。

アンモニア窒素の管制方式については、排水を保護区内で行うかどうかで制限値を設定する。また、既設事業に関しては2段階に分けて取り締まりを行い、第1段階は制限値を75mg/Lとして2012年7月1日より施行、第2段階では限度値を30mg/Lとして2015年7月1日より施行する。第1段階のアンモニア窒素管制標準に適合させるために工程等の改善措置が必要なものに対しては、期限までに放流水汚染物削減管理計画を提出し、審査を経て計画書の内容を執行する場合、2013年7月1日まで施行を延期する。

環保署は、これらの標準が施行されれば、河川水系へのアンモニア窒素排出量の削減が出来るなど、汚染リスク低減が予測されると説明している。また、各界に源からの管理を強化するよう呼びかけ、排水処理施設への化学品流入を削減し、排水処理の複雑さの軽減を図ることとしている。

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