ベトナム国会で、2012年6月21日、従来の水資源法（08/1998/QH10）に代わる新たな水資源法（17/2012/QH12）が可決された。新たに「第2章　水資源に関する基本調査と戦略的計画」、「第6章　水資源に関する財源」、「第8章　水資源管理に関する責任」が追加された本法は、2013年1月1日に施行される。

全10章79条から構成される新たな水資源法は、ベトナム国内の水資源の管理、保全、開発、利用、および水害への対策、克服について規定するものである（第1条第1項）。ただし排他的経済水域および大陸棚での地下水、海水および鉱水、天然の温水は、同法の管轄対象外となっている（第1条第2項）。水資源法の各章の構成は、以下の通りである。

《構成》

第1章（第1条～第9条）：一般条項
第2章（第10条～第24条）：水資源に関する基本調査と戦略的計画
第3章（第25条～第38条）：水資源の保全
第4章（第39条～第57条）：水資源の開発および利用
第5章（第58条～第63条）：水害への対策および克服
第6章（第64条～第65条）：水資源に関する財源
第7章（第66条～第69条）：水資源に関する国際関係
第8章（第70条～第74条）：水資源管理に関する責任
第9章（第75条～第76条）：水資源に関する特別調査
第10章（第77条～第79条）：実施規定

同法にもとづき、水資源の開発または排水など、地域住民に対する影響が大きいプロジェクトを計画している事業者および個人は、実施に先駆けてプロジェクトおよびその影響に関する情報を公開しなければならない（第6条第1項）。地下水の開発、水資源の利用、排水などの許認可については、旧水資源法で定められた期限が切れるまでは有効となる（第77条第1項）。

上述の水資源法の原文は、以下のURLよりダウンロードできる（ベトナム語）。
http://dwrm.gov.vn/uploads/laws/file/2012/Thang-07/Luat_tai_nguyen_nuoc_so_172012QH.pdf