2012年6月26日、水効率ラベルおよび基準(制度強化)法案がオーストラリア議会にて可決され、同法に基づく国家水効率ラベルおよび基準(WELS)制度の罰則や管理体制が強化された。今後、国王の裁可を経ることで、新たな罰則や、定義が発効する。
WELSは、2005年水効率ラベルおよび基準法でその枠組みが規定されており、洗濯機、食器洗い機、シャワー、トイレ、そして蛇口などの水使用に関わる製品の登録、水効率を示す等級ラベルを貼付することで、消費者が水効率に優れた製品を選択することや、企業が水の節約技術をアピールすることを支援する。また、同制度はトイレや洗濯機に対して最低水効率基準も設けている。
新しい民事・刑事処罰規定
新しい制度には、現行の刑事罰の規定のほとんどがそのまま適用される。例えば、WELS製品として登録が必要な製品の未登録や、登録済みの製品をラベル表示なしで供給することは禁止されている。WELS法の下では、製造者から小売店まで、サプライチェーン上にいるすべてのサプライヤー(輸入者、卸売業者、リース業者を含む)は正しいラベルがしっかりと貼られていることを確認しなければならない。それに加え、製品が登録済みであることを証明する責任が今後サプライヤーに課されることになる。また、現行の刑事罰に加え、以下に挙げる2つの民事罰が新たに追加された。
- 登録申請の際に、偽りの、または誤解を招くような情報または文書を用いること。
- WELSの対象製品でないものに、WELSラベルを用いること。
これらの罰則は個人や企業に適用され、60ユニット(1ユニットにつき110豪ドルの罰金)が科される。
新たな執行メカニズム
WELSの規制当局は、サプライヤーにコンプライアンス監査の実施を要求する権限を持つことになる。登録やラベル情報などを記録したWELS製品のインベントリーの提出が求められる可能性もある。また、規制当局は、サプライヤーに対して是正措置を要求する権限も与えられる。是正措置には、不適切なラベル表示のある製品の供給停止などが含まれる。
供給(supply)の定義の拡大
取引や商売の過程におけるWELS製品の“供給”には以下のものが含まれる。
- 供給(WELS製品の購買など)や供給の提案(宣伝広告など)
- 販売、交換、贈呈、貸付、分割払い購入
- 取り付け、付属品、サービスなど、他の商品の一部としての供給(ビルのメンテナンスにおける蛇口の取り付け)