淡水化と、飲料水への水再利用を多数が支持――カリフォルニア州サンディエゴ郡の世論調査

カリフォルニア州のサンディエゴ郡水道公社が水供給の信頼性を増す方策としての海水淡水化と、飲料水への水再利用の是非について実施した世論調査の結果が、2012年8月に公表された。この世論調査はRea & Parker Researchに委託して実施されたもので、誤差は±3.4%、信頼度は95%となっている。今回の世論調査は2000年以来8回目で、一貫性を保つためと、統計的に信頼できる比較を可能にするために、毎回、同様の質問内容で面接調査がおこなわれている。

なお、この調査には、サンディエゴ市が資金面での支援をおこなっている。

世論調査のおもな結果は以下のとおりである。

  • 回答者の82%が、海水淡水化は水供給の信頼性にとって重要であると答えている。内訳は、「きわめて重要」が55%、「ある程度重要」が27%だった。
  • 68%が、上水道に海水淡水化を導入するためにいまよりも高い水道料金を払ってもよいと答えている。月に5ドル(約390円)以上の値上げがあってもよいと答えたのは58%で、容認できる値上げ額の平均値は月12ドル(約940円)だった。
  • 54%が水道料金は適正で妥当であると感じており、3%が水道料金は安いと感じている。いっぽう、43%が水道料金は高すぎると感じている。
  • 淡水化のキャンペーン・メッセージのなかで、回答者が淡水化に賛成する方向に最も影響をうけたのは「淡水化は渇水知らずの地元の水供給源」であり、最も影響をうけなかったのは「淡水化は他の水供給源の開発とコスト面で太刀打ちできる」だった。
  • 71%が、以前には灌漑に使っていたリサイクル水をさらに純度の高い安全な水に処理して飲用に供することは可能だと考えている。
  • 73%が、高度処理したリサイクル水を水道水に加えることを強く支持(33%)またはある程度支持(40%)している。

なお、この世論調査の詳細な結果は、調査方法の説明も含めて、以下のURLで読むことができる。
http://www.sdcwa.org/sites/default/files/files/news-center/2012-survey-report.pdf

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