ニュージーランド政府、資源管理法の改正を含む水管理の抜本的な改革案を提出

ニュージーランド環境省および一次産業省は2013年3月9日、同国の水管理制度の改革案を示した報告書“Freshwater reform 2013 and beyond”を発表した。報告書は、産業、環境、先住民族マオリなど、60以上の団体の代表者から組織される非政府の諮問機関であるLand and Water Forumが4年以上にわたって行ってきた活動に基づいている。水管理制度の抜本的な改革が行われる背景には、ニュージーランドが水ストレスに晒されており、また、水分配システムが効率的でなく、価値の高い水利用ができていないことが背景にある。

参加型の計画策定プロセス

報告書では資源管理(RMA)法およびその規則の改正や、地方政府へのガイダンスの提示などの複数の措置が提案された。資源管理法に基づく現行の制度の下では、地方議会によって策定された計画に対し、市民やステークホルダーによる意見募集が行われるが、その後に要求される環境裁判所への請願などの法的手続きが、逆行的で、コストやプロセスを長期化させていると指摘された。それらのプロセスを効率化させるため、ステークホルダーのグループが早い段階から計画策定に参加できる計画策定プロセスが提案された。

国の目的別枠組み

2つ目の主要な変更点として、地方議会が流域管理計画の目的を設定する際に、National Objectives Framework(国の目的別枠組み)と呼ばれる国で統一された基準に従って行うことが提案された。同枠組みは“バリュー”と呼ばれる15の目的リスト(海水浴、釣り、灌漑など)で構成されており、それぞれのバリューは個別の性質(大腸菌レベル、硝酸塩含有量、透明度など)について、4段階で評価される。各自治体はバリューの優先順位を決定することができるが、「健全な生態系および固有種の保全」および「二次的接触によるヒトの健康(釣り、カヤックなど)」の2つのバリューについては必ず国の定めた最低基準を満たす必要がある。

水収支管理システム

3つ目の主要な変更点として、政府は地方議会に対してより良い水の収支を要求できるようにすることが提案された。これは流域管理に関する国家政策声明を改正することによって、水の取水量の割当を定めるものである。政府は、地方がそれらの情報を管理するための収支システムを2014年末までに確立するとしている。

その他の変更点として、関連情報を水の使用者から入手し、中央政府とデータを共有可能にする権限を地方に与えるよう資源管理法を改正することなども提案された。提案に対する意見募集は2013年4月18日まで実施される。ニュージーランド政府は、2013年末までに資源管理法改正案の提出を見込んでいるが、水管理以外の改革が同改正案に反映されるかどうかは明らかになっていない。

URL:報告書“Freshwater reform 2013 and beyond
http://www.mfe.govt.nz/publications/water/freshwater-reform-2013/freshwater-reform-2013.pdf

 

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