シェールガス開発に伴う生産水の新たな処理技術開発プロジェクトが始動へ

米国のSouthern Research Institute*1は2013年7月22日、Research Partnership to Secure America(RPSEA)*2の非在来型資源プログラムの下で、水圧破砕法を用いたシェールガス開発によって生じる汚染水処理技術を開発、実証するためのプロジェクトを実施することを発表した。RPSEAは、2005年エネルギー政策法に基づいて設立された米エネルギー省(DOE)による「超大水深・非在来型天然ガス・その他の石油資源研究プログラム」とその資金管理を委託されており、同プロジェクトに対しそこから資金が拠出される。

プロジェクトでは2年間にわたり、水圧破砕後に地上に戻る大量の水(フローバック)および、生産段階で長期にわたって排出される生産水の処理、廃棄プロセスや方法論に関する問題を解決するための先進技術の開発が行われる。生産水の処理に関する2つの技術および、生産水処理によって生じる残渣(高固体スラリーや膜濃縮物)の処理・廃棄に関する2つの技術の最適化が行われる。同研究所のRobert Dahlin氏は、「もし、シェールガス生産における経済的、環境的な負荷を削減することができれば、この技術は米国におけるエネルギーの安定供給そして持続可能性の向上に大きく寄与することができる」と語る。

生産水処理技術としては、磁気安定器を用いて全浮遊物(TSS)、金属、自然発生放射性物質(NORM)を分離する方法や、渦発生器やナノ分離膜を用いてTSSやTDSを除去する方法が用いられる。また、残渣の処理技術としては、ヒドロゲル吸着体による金属、NORM、微量元素の除去や、沈殿、固化、安定化を行う。研究プロジェクトでは、これらの技術の組み合わせが検討される。

Southern Research Instituteの先端エネルギー&輸送技術センター(ノースカロライナ州ダラム)および電力システム&環境研究センター(アラバマ州バーミングハム、ジョージア州カーターズビル)が中心となってプロジェクトの管理、運営を行う。また、M2 Water Treatment、BKT Unitedなどの企業もパートナーとしてプロジェクトに参画する。Southern Research Instituteは、これらの技術を実証、商用化するために石油・ガス産業界の先進企業・団体とのさらなる提携に関心を示している。

*1 アラバマ州バーミングハムに本社を置く非営利の研究機関。医薬品、バイオテクノロジー、防衛、宇宙、環境、エネルギー産業の顧客や提携先を支援するための研究開発を行う。研究員数は約520人。*2 高まる炭化水素需要を米国の資源で賄うことを目的とした非営利団体で、大学、産業、独立した研究機関などによって構成される。

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