中国で「合成アンモニア工業水質汚染物質排出標準」実施

中国で2013年7月1日から「合成アンモニア工業水質汚染物質排出標準」(GB13458-2013)が実施されている。この標準は従来のGB13458-2001に代わるもので、関連報道によると従来の標準に比べ、新しい標準の適用範囲には合成アンモニア、尿素、硝酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムおよびこれらの工場の汚染排出管理が含められているという。

関連報道によると、新標準では旧標準GB13458-2001のすべての汚染物質の項目、すなわちアンモニアチッ素、COD、シアン化物、浮遊物質(SS)、石油類、揮発性フェノール、硫化物、pH値などが残されている。また、水域の富栄養化を防止するため、新しい標準では総リンと総チッ素が追加されているという。新標準の排出制限値に関し報道は、2013年7月1日以降、新設工場ではアンモニアチッ素は25mg/L、CODは80mg/L、総リンは30mg/L、アンモニア1トン当たりの基準排水量は10m3となり、旧標準よりも大幅に厳しくなっていると伝えている。

関連報道が伝えた環境保護部関係者の話によると、新標準の実施が直接企業の操業停止につながるわけではなく、実力のある大企業や中程度の規模の企業の場合は技術革新や工場改造が比較的容易である。しかし、小規模な企業では、産業政策の要件を満たし、更に環境管理の要件を満たそうとすると、非常に大きな投資が必要になるという。

関連報道によると中国の合成アンモニア生産量は世界第一位となっているが、生産規模と生産プロセスの面では他の諸国よりも大きく遅れているという。中国の合成アンモニア工業には中小企業が多いが、中小企業はエネルギー消費が大きく、汚染も大きい。合成アンモニア工業は中国の汚染対策重点業界の1つであり、廃水中のアンモニアチッ素の問題が特に大きい。合成アンモニア業界のアンモニアチッ素排出量は工業からの排出量全体の26%を占め、COD排出量では4%、汚水排出量では7%を占めると報道は伝えている。

【関連URL】
「合成アンモニア工業水質汚染物排出標準」(GB13458-2013)の原文は下記URLにて閲覧可能である(中国語)。
http://kjs.mep.gov.cn/hjbhbz/bzwb/shjbh/swrwpfbz/201303/W020130325399296105553.pdf

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