ロシア連邦政府は2013年7月29日、水供給と水処理に関する一連の新たな政令――政令第641号~第645号――を決定し、同年8月6日に公布した。これら政令は、節水と水質向上を目的として、官民の水供給者、および水の利用者を対象とした規制を定めるもので、規制の発効日はいずれも2014年1月1日となっている。
水インフラへの投資に関する政令
政令第641号は水供給および水処理部門における投資プログラムを規制するもので、水インフラへの企業の投資が認められるのは、すでに認可された水供給システムと自社の廃水の処理計画が企業にある場合に限るという内容になっている。
この政令にはまた、投資プログラムの承認と改定の手続や、遵守状況の監査の規定なども盛り込まれている。
冷水の供給と水処理に関する政令
政令第645号は、集中型水供給システムへのアクセスを規制する規則をはじめとして、冷水の供給と水処理に関する要求条件のモデルを定めている。ロシアでは自治体や民間企業が、集中型システムから「冷水」と呼ばれる通常の水、および熱湯を供給している。都市のほとんどの水道利用者は、自宅で湯を沸かすことがない。熱湯は、冬期には暖房にも使われている。
政令第644号は冷水の供給と水処理に関して、水の供給者、消費者、および連邦と地方の規制当局のあいだの関係を明確化する規則の制定を求めている。
この政令は特に、冷水の供給と水処理について、水の消費にまつわる問題の解決と、断水のないタイムリーな水供給の確保のための要求条件の設定を求めている。さらにこの政令は、流量の測定、水質の確保と水質監査、および料金体系に関する手順の設定を求めるとともに、水供給を制限または停止する場合の条件を定めている。
熱湯供給に関する政令
政令第643号は、集中型水供給システムへのアクセスに関する規制など、熱湯供給に関する要求条件のモデルを定めている。
政令第642号は、熱湯供給者、消費者、および連邦と地方の規制当局のあいだの関係を明確化する規則を定めている。
これら政令は、熱湯の供給に関して、温度と圧力、断水のないタイムリーな供給、加熱条件を制御するためなどの流量の測定、水質の確保と水質検査の手順、料金に関する諸条件、熱湯供給を制限または停止する場合の条件などを定めている。
ただし、これら政令による規則は、水供給者と共同住宅地域の共同住宅所有者とのあいだの関係には適用されない。