米加州裁判所、2014年6月半ばを期限とした飲用水の六価クロム基準策定を当局に命令

米国カリフォルニア州のアラメダ郡上級裁判所は2013年12月17日、州公衆衛生局(CDPH)に対し、遅くとも2014年6月15日には全米初となる六価クロムのみを対象とする最終的な飲用水基準を公布することを命じた。CDPHは、州法で定められた2004年1月1日という基準の策定期限を順守できず、環境団体の天然資源防衛協議会(NRDC)と環境ワーキング・グループ(EWG)により訴えられていた。CDPHは2013年8月22日、裁判所の8月末を期限とした基準提案命令に従い、最大汚染濃度(MCL)を10ppbと想定する基準案を提案している。

命じられた2つの期限

裁判所がCDPHに命じた期限は2つある。2013年8月に提案された基準値に変更がない場合、同局は2014年4月15日を期限として基準を最終決定しなければならない。しかし、基準に変更がある場合は、15日間のパブリックコメント期間を考慮して、期限は同年6月15日と指定されている。
米国では現在、連邦と州のいずれのレベルでも、六価クロムと三価クロムを含む全クロムを対象とする飲用水基準しか定められていない。このため、このカリフォルニア州の基準が、全米初の六価クロムのみを対象とした飲用水基準となる。

環境団体は「基準値は不十分」と懸念

今回の訴訟を提起した2つの環境団体は、裁判所が基準の公布期限を設けたことで安堵の胸をなでおろすいっぽう、CDPHが提案した基準値については「不十分」と懸念を表明している。NRDCが2013年12月23日付けで発表したプレスリリースによると、環境団体らが実施したレビューにもとづけば、提案された基準値では州の人口の60%以上が六価クロムから十分に保護されないまま残されることになるという。

【過去の関連トピック】
EnviX海外環境法規制モニタリング2013年9月号「米国カリフォルニア州が全米初の飲用水中に含まれる六価クロムの基準値案を発表」

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