カリフォルニア州環境健康有害性評価局(OEHHA)は2014年4月24日、クロロベンゼン、エンドタール、ヘキサクロロシクロペンタジエン(HCCPD)、シルベックス、およびトリクロロフルオロメタンの5物質について、飲用水の公衆衛生目標値(PHG:public health goal)を改定した。PHGとは、ヒトが一生のあいだ日常的に飲用しつづけても有意な健康リスクが生じないと推定される飲用水中の有害物質濃度である。以下は、これら5物質のPHGの改定内容の概要である。
物質 | 概要 |
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クロロベンゼン | 有機化学物質の原料や溶剤として、さまざまな用途に用いられている。この物質のPHGは2003年以来200 ppbとされてきたが、これが今回70 ppbに改定された。 |
エンドタール | 水草や藻の成長を抑える農薬である。1997年以来、この物質のPHGは580 ppbだったが、これが今回94 ppbに改められた。 |
ヘキサクロロシクロペンタジエン(HCPPD) | さまざまな塩素系農薬の合成に中間体として使われている。この物質のPHGは1999年から50 ppbに設定されていたが、これが今回2 ppbに改定された |
シルベックス(2-(2,4,5-トリクロロフェノキシ)プロピオン酸) | シルベックスの使用は1985年に禁止されたが、それまでは、この物質は水草の除草剤として使われてきた。2003年以来、この物質のPHGは25 ppbだったが、これが今回3 ppbに改められた。 |
トリクロロフルオロメタン | おもに溶剤、冷媒、およびエアロゾル噴射剤として使われていたクロロフルオロカーボン(CFC)である。この物質のPHGは1997年以来700 ppbだったが、これが今回1300 ppbに緩和された。 |
なお、これら物質のPHG改定に関するテクニカル・サポート・ドキュメントは以下のURLで読むことができる。