米国下院議員、パーソナルケア製品に含まれるマイクロビーズを禁止する法案を提出

米国議会のFred Upton下院議員(共和党、ミシガン州選出、下院エネルギー・商業委員会委員長)は2015年3月4日、Frank Pallone下院議員(民主党、ニュージャージー州選出、下院エネルギー・商業委員会の有力メンバー)とともに、マイクロビーズと呼ばれる合成プラスチック製の粒子を含む洗顔剤などのパーソナルケア製品を規制する「2015年のマイクロビーズ・フリー・ウォーター法」(Microbead-Free Waters Act of 2015)案(H.R. 1321)を提出した。

法案の目的

この法案は、マイクロビーズを含むパーソナルケア製品の販売や流通を2018年1月1日から禁止しようとするものである。

マイクロビーズとその影響

マイクロビーズとは、洗顔剤、石鹸、練り歯磨きのようなパーソナルケア製品に使われている微小なプラスチックの粒である。これは、下水管に流されると、水処理システムを通り抜けることができるため、地域の河川や、たとえば五大湖のような大水域に行き着くことが多い。

研究者らは、米国の非常に多くの水域にマイクロビーズの痕跡を見出している。マイクロビーズは、水路のプラスチック汚染悪化の一因となっていることに加えて、魚類などの生物に餌と間違えられることが多い。もし摂取されると、合成プラスチック製マイクロビーズに含まれる化学物質は、ほかの野生生物や人々に移ってゆく可能性がある。

今回、H.R. 1321を提出したUpton、Pallone両下院議員は、マイクロビーズ(のなかの化学物質)が米国の水路(ひいては、魚類、究極的にはヒト)に入りこむことを防ぐ必要性を訴えている。なお、連邦議会には前会期にも同様の法案が提出されたが、議会終了までに法律として成立せず、廃案になっている。

米国化学工業協会は法案を歓迎

報道によると、米国化学工業協会(ACC)はこの法案を歓迎しており、これまでも、環境保護団体やパーソナル製品製造者とともに、ニュージャージー州とイリノイ州で成立したパーソナルケア製品からマイクロビーズを段階的に減らしてゆく法律を支持してきたと述べたという。

上記法案のテキストは、以下のURLで閲覧できる。
https://www.govtrack.us/congress/bills/114/hr1321/text

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