コロンビア「2014-2018年国家開発計画」で、上下水道インフラ整備計画予算の90%をPPPによる民間出資と予定

2015年2月4日にコロンビア国家経済社会政策諮問機関(CONPES)により承認された「2014-2018年国家開発計画」では、競争力強化や、医療や教育などの社会生活整備、農村開発、グリーン成長に加えて、インフラ整備が戦略目標として挙げられている。

 

上下水インフラに関しては、上水道へのアクセスが2013年は4187万人だったのを2018年には4448万人、下水道へのアクセスを2013年には3947万人だったのを2018年には4237万に、また2013年には33%だった都市部の汚水処理率を2018年には41%とし、2013年には622だった汚水処理プラント数2018年には628とし、処理能力を2万4164リットル/秒から3万3776リットル/秒とする目標が揚げられている。

表 水道インフラの2013年実績と2018年目標

2013年(実績) 2018年(目標)
上水道へのアクセス 4187万人 4448万人
下水道へのアクセス 3947万人 4237万人
都市部の汚水処理率 33% 41%
都市部の汚水処理プラント数 622 628
都市部の汚水処理能力 2万4164リットル/秒 3万3776リットル/秒

開発計画実施にあたっての予算は、コロンビアは石油産出国の為、石油価格下落を受けて、約3290億米ドルだったのが2930億米ドルに下方修正され、34.2%を民間投資で実施する見通しをたてている。上下水インフラの場合は、PPPによる民間投資が90%となっているが、コロンビアにおける水事業は民間が負うリスクが大きく、事実上民間の参入を阻んでいると指摘されている。

リスクの主因は、水事業においては、投資回収は上下水道サービスの使用者である一般市民からの料金徴収によるもので、長期にわたることが挙げられる。コロンビア衛生・環境技術協会(ACODAL)では、上水プラントや汚水処理プラントへの資金や技術、設計・建設・運営ノウハウ供与に興味をもつ国内外の投資家の訪問を数多く受けているが、財務分析で投資回収リスクがかなり高いことが判明すると、投資家の興味が薄れてしまうと述べている。

政府は2015年1月14日公布の政令No.63で上下水インフラ事業へのPPP導入を規定し、PPPへの意欲を示しているが、投資に踏み切る為の障害を排除するには至っておらず、民間投資を呼び込む為には明快な提案が必要である。この為ACODALは、道路網整備計画の為に設立された開発金公社(FDN)や地方開発事業向け金融公社(FINDETER)のような、上下水インフラプロジェクトを専門に扱う金融機関の創設を提案している。これにより、30年間といわれる融資期間を9年から13年程度に短縮し、民間投資家のリスクを低減することが可能となる。

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