2015年3月31日に現地で報じられたところによると、インドの首都デリーでは、去る2月に発足した庶民党(AAP)政権がシンガポールをモデルとした野心的な水の再利用プロジェクトに着手するという。
シンガポールに視察団を派遣、1か月以内にもパイロットプロジェクトを開始
デリー政府のArvind Kejriwal首席大臣によれば、市政府はすでに、シンガポールの給水モデルを学ぶべく、デリー上下水道局の局長をヘッドとする視察団を同国に派遣した。Kejriwal大臣はメディアに対し、政府はこの水再利用パイロットプロジェクトを1か月以内に開始すると語った。現在、プロジェクトにかかるコストの算定中であるという。大臣は「シンガポールは独自の水源をもたない国です。同国の水の約95%は外国から供給されています」と述べ、同国のシステムについて、トイレで使用された水はトイレ用に、台所で使用された水は台所用に、それぞれ濾過された上で再利用されると説明した。Kejriwal大臣は、このプロジェクトはデリーを水不足の心配がない都市にするためのものであるとした上で、シンガポールのプロジェクトの優れた点について、資金面を含めて政府が関与している点だと指摘した。「我々はシンガポールのやり方を学んできました。このパイロットプロジェクトがうまくいけば、我々は1か月を目処に市内15~20箇所にプロジェクトを展開します」
プロジェクトが成功すればデリーは水不足の心配がない都市に
今回のパイロットプロジェクトは、水の品質を確保するため、トイレで使用した水はトイレに、台所で使用した水は台所に、それぞれ再利用するという。大臣は、濾過された水の水質はミネラルウォーターに並ぶ高品質なものになるといい、もしこのプロジェクトが成功すれば、デリーでは水不足の心配はなくなると話す。「私はこのプロジェクトはデリーのためになるものだと考えています。」また大臣は水処理施設について、100~200戸のまとまりごとに1箇所の水処理施設を設置する予定だと明かした。この施設の設置による住民の負担は、下水施設を設置した場合よりも安価になるという。大臣は「この取組は、首都デリーを給水面で自立した都市とするためのものなのです」と語った。