米下院のマイクロビーズ規制法案、提案者らは製造禁止も検討

米下院に、フェイス・スクラブなどのマイクロビーズ含有パーソナル・ケア製品の販売と流通を禁止する「2015年のマイクロビーズ・フリー・ウォーター法案」(法案番号:H.R. 1321)が上程されているが、この法案を審議している下院エネルギー・商業委員会のふたりの主要メンバーが、販売・流通のみならず製造も禁止することを検討している。

この法案は、連邦食品・医薬品・化粧品法(FFDCA)を改正して販売・流通禁止の対象に「合成プラスチック・マイクロビーズを含む」製品を加えようというもので、発効日は2018年1月1日となっている。プラスチック・マイクロビーズは直径5ミリ未満(研究者によっては1ミリ未満と定義)の微細プラスチック粒子で、現在の下水処理プラントではこれを捕捉することができない。マイクロビーズはまた、より有毒な化学物質や、水銀やビスフェノールAなどの内分泌攪乱作用が疑われている物質を吸収することもある。

Pallone議員とUpton議員は法案修正を視野に

H.R. 1321法案の主提案者であるFrank Pallone議員(民主党、ニュージャージー州選出)と、共同提案者の筆頭格であるFred Upton議員(共和党、ミシガン州選出)は、マイクロビーズ含有製品の販売・流通ばかりでなく製造も禁止するよう、法案の条文を書きかえることを検討している。Pallone議員は下院エネルギー・商業委員会の少数党筆頭議員であり、Upton議員は、同委員会の委員長を務めている。

両議員とも、H.R. 1321法案は優先度の高い法案のひとつだとしており、2015年9月7日のレイバー・デーを過ぎたころには審議が動きはじめてほしいとの希望的見かたを示している。なお、H.R. 1321法案とまったく同じ条文の法案が、上院にコンパニオン法案として上程されている。上院法案の番号はS. 1424、主提案者はKirsten Gillibrand議員(民主党、ニューヨーク州選出)である。

なお、H.R. 1321法案のテキストは以下のURLで読むことができる。
http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/BILLS-114hr1321ih/pdf/BILLS-114hr1321ih.pdf

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