カナダのオンタリオ州、飲料水の水質基準を改正し新たに塩素酸塩等の含有基準を制定

カナダ・オンタリオ州は2015年12月1日、新たに自治体や民間の飲料水供給処理システムに使用される二酸化塩素の副生成物である塩素酸塩等の含有量を規制する飲料水規則を改正した。改正されたのはオンタリオ州規則169/03(飲料水水質規則)とオンタリオ州規則170/03(飲料水システム規則)で、飲料水中の塩素酸塩、亜塩素酸塩、2-methyl-4-chlorophenoxyacetic acid(MCPA)及びハロ酢酸(HAAs)に新たに含有基準が設けられた。また規則改正では同時に、ヒ素、ベンゼン、四塩化炭素、塩化ビニルに対する含有基準がより厳格化された。改正規則は、2016年1月1日から2020年1月1日にかけて段階的に施行される。

詳細施行スケジュール

  • 新サンプリング、試験、報告および再サンプリング要件:2016年1月1日に適用開始
  • HAAsに対する新試験要件:2017年1月1日に適用開始
  • 四塩化炭素、ベンゼン、塩化ビニル、塩素酸塩、亜塩素酸塩、MCPAに対する改正基準:2017年1月1日に適用開始
  • ヒ素の改正基準:2018年1月1日に適用開始
  • HAAsの基準と小規模飲料水システムに対するHAAsの試験最適化ルール適用:2020年1月1日に適用開始

厳格化される含有基準

そして、従来から基準が設けられている物質については、2017年1月1日から、四塩化炭素の許容濃度がリットル当たり0.005から0.002マイクログラムへ、ベンゼンでは、0.005から0.001へ、塩化ビニルでは、0.002から0.001へそれぞれ引き下げられる。一方2018年1月1日には、ヒ素の許容レベルが0.025から0.010へ引き下げられる。

今回の改正では、副産物のHAAsとトリハロメタンの消毒・無毒化処理に関わる報告と再サンプリングに関する規則が、他の地域との一貫性を考慮し簡素化された。また、両物質に対する試験頻度も、世帯数が100またはそれ以下の小規模自治体飲料水システムと、モービルホーム地区や私有区画などの非市営住宅飲料水システムにおいては、長年の低含有量管理実績を持つ場合に限り簡略・最適化されている。また、連邦政府のガイドラインリストからはずされ、少なくとも10年間、飲料水検査で検出されていない商業的に使用されなくなった13の“伝説的”農薬に対する試験要件が削除された。

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