台湾環保署、「水汚染防止費徴収弁法」の改正を予告

台湾行政院環境保護署(以下、環保署)は、2016年4月1日、「水汚染防止費徴収弁法*1」の改正を予告した。主な改正点は以下のとおり。

(1)  海水を利用した排煙脱硫を実施している石炭火力発電所からの排水に対する水汚染防止費の徴収方法を増補し、同水汚染防止費の計算方法および届け出るべき審査書類などに関する規定を明確に定めた。

(2)  各業種の放流水基準と海洋放流管の放流水基準における規制値が異なることを考慮し、海洋放流管により廃水(汚水)を海洋に排出する際の水質に基づく優遇額算出方法に関する条文を追加して、差別化を図った。

(3)  排出品質については、監督官庁が確認および検査測定した最大値で計算できるという規定を増補した。また、検査測定データの認定における紛争を減らすため、健康有害物質の申告値と監督官庁による確認および検査測定値における差異のパーセンテージを一部改訂した。

(4)  水汚染防止許可証を未取得の場合、十分な証拠資料に基づき排水量を申告する。水汚染防止許可証で登録した1日当たりの許可量に基づき排水量を計算する場合には、申告納付年度の実際の運行日数に基づき、事前に排出量を算出および申告できる規定を増補した。

(5)  申告手順を簡略化するため、一部規定を削除した。また、過払い金額2000NT$(ニュー台湾ドル、約6666円)に達した場合の払い戻し申請についても規定した。

(6)  廃水水質の特徴を考慮し、飲食業、観光業で発生する入浴後の廃水(他の廃水が含まれていない)で、他の業務用廃水とは別に収集されるとともに、毛髪ならびに浮遊固体物のフィルター装置による処理を経てから排出される排水量、および新設事業の監督官庁による許可を経た試運転期間に排出される廃水(汚水)量については、いずれも同部分の水汚染防止費の納付が免除される規定を増補した。

(7)  規定に従って申告しない、または不正な方法による水汚染防止費の納付逃れ、納付漏れがあった場合、監督官庁が納付額を査定および算出し遡及徴収する規定を追加した。

(8) 本弁法の改正条文は、2016年7月1日より施行する。

上述の「水汚染防止費徴収弁法」改正案の原文は、下記のURLにて閲覧可能である。
http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/prelaw/pre1050404.pdf

 

*1 「水汚染防止費徴収弁法」は2015年3月31日に改正公布され、同年5月1日以降、畜産業を除く事業および工業区専用の汚水下水道システムを対象とした水汚染防止費の徴収が開始された。水汚染防止費の徴収開始後における申告、審査、確認などの業務で直面した問題に基づき、また、抽出した海水を利用して排煙脱硫する空気汚染防止施設が設置されている石炭火力発電所に対する水汚染防止費の計算方法に関する規定を補強するため、環保署は、現行の費用徴収規定における適切性や関連規定の明確化について検討し、今回の改正を予告した。

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