台湾「排水管理弁法*1」(以下、改正法)が、2016年4月12日、改正公布され、改正公布日より施行された。
改正法では、排水企画書および排水計画書の提出を追加し、審査を受ける項目や手順などについても明確に定め、土地の利用を計画する開発者、経営者、使用者または土地の所有権者および各地域の排水管理機関が処理を行う際の根拠とした。さらに、地域排水の管理実務における需要や、一部の法適用に関する疑問などに応えるため、現行の規定にも改正が加えられた。
主な改正点は、以下のとおり。
- その他の排水の管理権限および責任に関する条文を増補および削除(改正条文第2条、現行条文の第27条を削除)。
- 地域の排水施設および範囲の定義を明確に定め、直轄市、県、市の管轄地域における排水集水域については審査後に公示するという規定を追加(改正条文第3条)。
- 排水管理の範囲および管理事項を改正(改正条文第4条)。
- 排水区分の変更が地域排水または2つの直轄市(台北・高雄)、または県(市)以上の行政区分に関係する場合の処理手順を増補改訂(改正条文第5条)。
- 地域排水の集水域における流出水の分散および流出量の規制を推進するため、地域排水の支流に流入する水量の規定への適合に関する条文を追加(改正条文第6条)。
- 監督官庁が委任する所属機関の取り扱い事項、および中央監督官庁による県・市政府への一部業務の委託についての条文を増補改訂(改正条文第8条)。
- 災害防止や応急対策関連の条文を改正。改正後は、地方政府または現地の最寄りの河川局が応急対策を講じる(改正条文第9条)。
- 地域排水の集水域での土地開発計画における排水規格書および排水計画書の審査に関する条文を増補改訂(改正条文第12条)。
- 排水企画書ならびに排水計画書の提出および審査などの業務規定、および違反した場合の結果などの条文を増補改訂(改正条文第12条~第22条)。
- 河川および防波堤エリアに地域排水を排出する際の保守管理における権限と責任に関する条文を改正(改正条文第23条および第24条)。
- 地域排水施設の検査内容を規定し、水利関連の建築物における検査スケジュールの一致を図るため、「河川管理弁法」第12条に照らした上で関連規定を追加(改正条文第 27条)。
- 政府機関または他の公法人は、許可使用費が免除されるという規定を削除。使用費については、管理機関が関連規定に基づき処理する(現行条文第24条を削除)。
- その他の排水については、本弁法の地域排水関連の規定に従うという条文を削除(現行条文第27条を削除)。
- 排水・汚水排出の申請基準、およびその審査手順を改正(改正条文第35条)。
- 管理機関が停止条件付きの許可処分を先行発給できるという条文を追加(改正条文第36条)。
- 地域排水施設内の共有地の使用を申請する場合、使用費、行政規定手数料、保証金を支払うべきこと、および上記費用の未納時における処分方法に関する条文を改正(改正条文第37条)。
- 公示されていない地域排水施設の範囲認定に関する条文を追加(改正条文第39条)。
改正された「排水管理弁法」の原文は、下記のURLにて閲覧可能である(中国語:繁体字)。
http://wralaw.wra.gov.tw/wralawgip/cp.jsp?displayLaw=true&lawId=8a8a852d1fb0edb7011fb62dbc90005a
*1 「排水管理弁法」は、水利法第78条第4項の規定に基づき策定され、1999年6月30日に公布および施行された。今回の改正まで2回改正が行われた。日増しに深刻さを増す異常気象に対応し、地域排水の集水域における流出水の分散および流出量の規制を推進するため、関連条文の増補改訂は一刻の猶予もならない状態にある。地域排水の集水域での土地開発利用計画に関しては、土地開発による利益を享受するとともに、開発の緩和によって増加した流出水量に対する責任も負わなければならないため、今回、新たに改正が行われた。