フィリピン内務自治省(DILG)は、開発の遅れている州や自治体にも展開していくことのできる小規模な官民パートナーシップ(PPP)プロジェクトを計画している。
DILGのIsmael D. Sueno長官は、情報通信技術省(DICT)および貿易工業省(DTI)とのある合同通達の署名に際して、記者団につぎのように語った。「より小さなPPP、あるいはPPPP――PPP for the People――とでも言うべきものを導入するつもりだ。何千億ペソという大きな規模のPPPは、このマニラ首都圏ですでにはじまっている。だが、ミンダナオ島やヴィサヤ諸島の遠隔の州に大規模プロジェクトの実施を求めるつもりはない。もっと規模の小さなPPPを提案してこうと思っている」
Sueno長官によれば、政府は、再生可能エネルギー、灌漑システム、飲料水、農業、輸送などの部門で、最大規模が1億ペソ(約2億2000万円)程度のさまざまなプロジェクトを考えているという。これについてSueno長官はつぎのように語った。「たとえば、2週間前、サンボアンガ・シブガイ州の自治体の首長らがわたしのところにきて、飲料水と灌漑用水の供給が整備されていないと訴えた。そこで、サンボアンガ・シブガイ州に大きな水源があるかどうか尋ねたところ、自治体のひとつに、飲料水と灌漑用水を3つないし4つの自治体に供給できる川があるとのことだった。それでわたしは彼らに、その地域でPPPプロジェクトを立ち上げて、飲料水の供給ばかりでなく、電力の供給、つまり水力発電にも利用したらどうかと話した」
世界銀行が資金援助
Sueno長官はまた、DILGがすでにPPPの専門部署を創設して、コンサルタントを雇い入れたことを明らかにした。フィリピンのPPPには世界銀行も、「地方政府、なかでも特に遠隔の州におけるプロジェクトの実施を支援する」ための資金を提供しているとSueno長官は言う。また、世界銀行グループの民間向け金融部門である国際金融公社(IFC)も、投資や融資に前向きであると伝えられている。