ペルー政府、水インフラ投資基金法規則を公布し、基金の運用を始める

ペルー政府は2017年4月26日、水インフラ投資基金を創設する政令No.1284(2016年12月29日公布)の、施行規則を承認する政令No.009-2017-VIVIENDAを公布した。政令No.1284は、住宅・建設・上下水省管轄の水インフラ投資基金FIASを創設するもので、資金は地方政府や上下水サービス会社に供与されることや、資金源は以下のものとなることが規定されている。

  • 住宅・建設・上下水省に与えられる予算
  • 国際協力機関からの融資
  • 金融機関の融資
  • 官民や外国機関からの社会事業に対する寄付
  • 年金基金の投資
  • 資本市場で得る資金

政令No. No.009-2017-VIVIENDAではFIASが管理する基金の活用規則として、以下が規定されている。

  • 基金の使途は、以下のものとする(第4条)。
  1. 上下水サービス維持の為の、サービスの拡張や改善を目的とするもの。
  2. 投資予備調査作成及び、上下水インフラへの投資プロジェクトや拡張、追加、修復プロジェクトの、技術書やプロジェクト実施書の作成。
  3. 金融機関や国際協力機関からの融資に対する保証金。
  4. その他経済省や住宅・建設・上下水省が政令で定めるもの。
  • 融資申請の評価は、技術局管轄の融資委員会が行う。融資委員会の業務実施にあたっては、民間の専門機関を3年起用する。委員会の業務を遂行する個人または法人は、国内外でプロジェクトファイナンスやプロジェクト評価の経験を10年以上有すること(第11条)。
  • FIASが融資するプロジェクトや事前調査のモニタリングと評価は、技術局管轄の監査委員会が行う。監査活動実施にあたっては、民間の専門機関を3年起用する。委員会の業務を遂行する個人または法人は、国内外でプロジェクトの全ての段階における経済性や技術、運営のモニタリングと評価の経験を10年以上有すること(第13条)。
  • 融資にあたっては、以下の基準を設ける(第16条)。
  1. 承認する1件の融資金額は、民間からの融資合計の15%を超えないこと。
  2. 民間からの融資合計の30%以上を、同じ上下水サービス会社に供与しないこと。
  3. 上下水サービス会社への融資は、資本または固定資産の30%を超えないこと。
  4. 資本拠出による融資合計は、民間からの融資合計の55%を超えないこと。
  5. 補助金による融資合計は、民間からの融資合計の35%を超えないこと。
  6. 前年までの累積資金の10%を予備費として確保すること。
  7. 市役所を通して上下水サービス会社に融資する場合は、融資対象ではない既存の上下水サービス会社の資産合計の75%を超えないこと。
  8. インフラ投資の融資申請額は、最低5百万ソルとする。
  9. 投資の予備調査に対する融資申請額は、最低10万ソルとする。
  10. 技術書作成のための融資申請額は、最低20万ソルとする。

規則ではこの他、融資申請方法などが規定されている。

政令No.009-2017-VIVIENDA、以下のサイトでダウンロード可能(西語表記)。
http://busquedas.elperuano.com.pe/normaslegales/decreto-supremo-que-aprueba-el-reglamento-del-decreto-legisl-decreto-supremo-n-009-2017-vivienda-1513187-9/

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