ベトナム・ハノイ、工業排水の環境保護費の徴収状況を強化する文書を公布

ベトナム・ハノイ市人民委員会は、2017年6月6日、「ハノイ市における工業排水に対する環境保護費用の徴収に関する公文書2768/UBND-KT号」を制定した。これは、ハノイ市内の各区、郡、村の天然資源環境室が工業排水の環境保護費用の徴収を厳格に実施することを目的として、ハノイ人民委員会が同市の天然資源環境局に対し、その管理・監視を要求する文書である。納付が必要となる事業者の管理を強化することで、政府予算の損失を防止することが狙いである。工業排水に対する環境保護費については政令154/2016/ND-CP号で定められるが、現状、その徴収には多くの困難、問題に直面しているという。

本公文書の原文は以下よりダウンロード可能である。
http://vanban.hanoi.gov.vn/documents/10182/2518750/CV-2768-2017.pdf

公文書2768/UBND-KTの内容

「下水道及び排水処理に関する政令80/2014/ND-CP号」に従い、建設局は下水道サービス価格の構築案を作成している。これに加え、2016年~2020年での各地区の工業団地における排水処理施設の建設・投資の提案も作成している。また、ハノイ税務局および計画投資局は、天然資源環境局と協力して、市内で納税または経営証明書に基づき製造拠点がある工業、農産、水産加工分野の事業者の統計データをまとめている。その結果をもとに天然資源環境局は工業排水の環境保護費の納付対象リストを作成することが可能となる。

次に、ハノイ工業団地・輸出加工区管理委員会、商工局、工業団地管理者はレビュー活動を強化し、工業団地内にある製造事業者に対し、規定に従って集中排水処理施設に接続するよう、本公文書は要求している。また、排水処理施設に接続するべきであるにも関わらず、未だ実施していない事業者リストを作成した後に、天然資源環境局及び関係機関へ提出する。それにより、天然資源環境局及び関係機関は検査、審査、原因の明確化、妥当な制裁が可能となり、排水処理システムに未接続な企業についての課題を解決できる。いっぽうで、ハノイ市人民委員会は工業団地にある生産工場が集合排水処理施設に接続するよう、排水処理施設の管理責任を強化するために、各責任者に対して規定通りの納付(試運転中の施設も含む)を求めていく。あわせて、工業排水に対する環境保護費の納付義務の未履行といった現状を改善するための対策もおこなっていく。

各区・郡・村の人民委員会は、それぞれの天然資源環境室に対し、各地区での納付対象を積極的に調べあげ、纏め、報告制度を厳密に実施し、環境保護費の徴収を行う。天然資源環境室はそれぞれの人民委員会に対して、生活排水を排出している事業者をまとめ、生活排水に対する環境保護費の徴収を行い、規定の通り、環境分野における行政の違反を検査、審査、処分の活動を強化する。

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