ベトナム、2020年までの上下水関連プロジェクトに102億ドルの投資が必要

2017年11月7日に現地で報じられたところによると、ベトナムは、増え続ける国内の水需要に応えるため、2020年までに上下水関連プロジェクトに102億ドル(約1.1兆円)の投資が必要だという。

建設省の技術インフラ局によると、ベトナム都市部の800近い区域では現在、浄水需要が740万m3に達しており、これは10年前の1.6倍の量だという。2020年までにはさらに、都市部の人口は4400万人に達し、上水需要は960~1000万m3 に到達すると予測されている。これに伴い、今後5年間、浄水場の新規建設と改修に33億ドル(約3700億円)、都市部の下水処理施設の建設に69億ドル(約7700億円)が必要となるという。増加する需要の一方で、地表水および地下水の水源の汚染は進み、給水管システムは劣化が進んでいる。さらに、住民の浄水タンクと汚水浄化タンクは、場所によりつくりが異なっており、このことが汚水の漏洩を引き起し水源の水質に影響を与えてきた。

また、同国が抱える問題として、漏水率の高さも挙げられる。漏水率は、都市部では24%、ホーチミンおよびハノイでは30 %に上り、これは水道管の劣化が原因である。ホーチミン市の全長2000kmを超える水道管は、すでに敷設から50年を経過している。この交換には巨額の資金を投じた大規模な工事が必要となり、ひいては他の公共事業に影響する。ベトナム政府は、大都市における上水の給水率を2020年までに100%とすることを目標として掲げている。この目標を達成するためには、現状の政府の取り組みでは足りず、国内外の様々な補助的なメカニズムを構築・利用することが必要になると見られている。

ベトナム上下水協会(Vietnam Water Supply and Sewerage Association)の計算によると、各県や市には、処理量が10万m3/日の水処理施設を新たに2~3箇所建設しなくては需要に対応できないという。しかし、その建設コストは極めて大きな負担であり、各自治体の給水における大きな障壁となっている。同協会のCao Lai Quang会長は、同国の上下水道産業が抱える最も大きな障壁は年率2%の人口増加率とそれに伴う急激な需要増であると話す。同会長は、ベトナムの上下水分野における民間セクターの参入は限定的なものにとどまっている一方で、今後数年間で必要となる投資は莫大な額であり、国内外の民間企業によるこの分野への参画の促進は避けられない課題であるコメントした。同国政府は、補助的な政策を打ち立て、上下水分野に参入する企業を優遇する条件を設定するとともに、経験不足で先見性に欠けるこの分野の人材の質を引き上げることが必要だと指摘されている。

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