中国、「逆浸透膜浄水器の水利用効率制限値および水利用効率等級」を公布

2017年11月2日、中国国家品質監督検査検疫総局および国家標準化管理委員会は、「逆浸透膜浄水器の水利用効率制限値および水利用効率等級」(GB34914-2017)を公布した。国家基準である同基準により、最も厳格な水資源管理制度の徹底的な実施を図るとともに、水利用効率の規制における制限値を規定する。同基準は、2018年11月より施行される。

現在、中国では、生活レベルの向上に伴い飲用水質が重視されつつあり、その品質の高さから逆浸透膜浄水器が人気を集めている。市場シェアは60%にまで達しており、国内の4000社ほどの製造企業による年間販売台数は1000万台以上に上る。しかし、調査によると、市場で販売されている逆浸透膜浄水器のうち浄水回収率が20%未満にとどまる製品は、全体の40%近くを占めており、大量の水資源が浪費されている。こうした状況を受けて、国家標準化管理委員会は、逆浸透膜浄水器の水利用効率の引き上げを図るため、今回の国家基準を制定した。

同基準では、水利用効率の検査測定および計算方法が規定されるとともに、水利用効率が5つの等級に分類されている。また、浄水器の水利用効率におけるレッドラインとなる制限値も規定されている。同制限値の導入により、少なくとも30%の製品が廃止され、それによる年間節水量は1億m3に達する見込みである。現在20%未満にとどまる浄水回収率についても、同基準の実施後、40%以上まで引き上げられる見通し。こうした措置により、企業に技術改良を促し、水利用効率の引き上げを目指す。

関係者によると、現在、腰掛便器、給水栓、洗濯機、浄水器、シャワー、小便器、和式便器、便器洗浄弁に関しては、水利用効率基準が公布済みだが、そのうち、給水栓、小便器、和式便器、便器洗浄弁については、今後、関連基準の改正が行われる予定である。また、食器洗浄機、回転式ノズルの水利用効率関連基準も現在、制定が行われている。

さらに、2017年9月13日に公布された「水利用効率ラベル管理弁法」(施行日は2018年3月1日)に基づき、今後、浄水器に対しても水利用効率ラベルの表示規定が適用される見通しである。水利用効率ラベル制度の実施による節水量は、推定で年間60億トンに達する。関係者によると、今後も、関連部門は、幅広く使用されている水回り製品に関する基準の強化を図り、製品の水利用効率や品質を全面的に引き上げ、供給者の構造改革を促していく。

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