インドネシアのジャワ島西部に位置するバンテン州では今、河川の汚染対策として廃水処理に関する地方規則案(RAPERDA:Rancangan Peraturan Daerah)が検討されている。バンテン州議会の地方規則案議長Abdul Roji氏によると、同州では現在、規模の大小に関わらず工場からの廃棄物による河川の汚染が目立っており、これらの問題を解決するために廃水処理関連の地方規則案を策定することにしたという。「現場で得られた数値によると、バンテン州では工場由来の廃棄物による汚染が毎回確認されており、その対策のための地方規則案が必要となっている」と、Abdul Roji氏はバンテン州本議会において同地方規則案を読み上げる際に語った。さらに、廃水を河川に流して違法に廃棄する企業があることもわかっているという。
河川の汚染はその水質に影響するだけでなく、バンテンの農業を衰退させてしまうため、同州においてマイナスの影響を生んでいる。「現状、汚染された水により水田の生産性が落ちている。その結果、農家が豊かにならない」とAbdul Roji氏は話す。バンテン州の住民の75%が農業か漁業に従事しており、本地方規則案はバンテン州の農家の繁栄のためにも必要であるということだ。
なお、上記の廃水処理に関する地方規則案のほかにも3つの地方規則案が検討されており、それぞれ農業、インフラ、浄水処理に関連するもので、これら4つの地方規則案は互いに関連し合っている。Abdul Roji氏によると、インフラ整備は州知事のビジョンとミッションに沿うものであり、これら4つの地方規則案の審議は来月にも行われ、4月には制定することを目標としているという。州政庁次官Ranta Soeharta氏も、これら4つの地方規則案をバンテン州住民の繁栄のために必要であると高く評価し、周辺工場による河川の汚染行為の横行はこれ以上許されない、と語った。「工場から廃水を直接河川へ流すなら処理は必須だ。これから全企業に対して廃水処理施設の利用が義務づけられることで、河川の汚染がなくなるだろう」と話す。