Suezグループ傘下の香港企業、Suez NWSは2018年3月1日、中国海洋石油集団有限公司(CNOOC)傘下のCNOOC Energy Technology & Service Limitedとのあいだで、両社の長期的協力関係を拡大して石油・ガス部門における環境プロジェクトをさらに推進することを謳った総合戦略的提携合意文書を交わした。両社はすでに海南省の東方化学廃水処理プラントのプロジェクトで提携しており、今回の総合戦略的提携合意はそうした実績を踏まえてのもので、これによってSuezは、中国の内外でCNOOCの石油化学施設や油田開発プロジェクトへの環境サービスの提供が可能になった。この合意のもと、両社は石油・ガス生産における水、廃水、スラッジ、有害廃棄物、およびガス管理のソリューションについて総合的な提携関係を構築していく。両社の提携事業には、エンジニアリングと建設工事、施設のグレードアップと改修、プロジェクトの運営管理、それに装置類の製造が含まれている。
すでに海南省では合弁会社で共同事業
両社の協力関係は、2017年7月、海南省東方化学廃水処理プラント・プロジェクトに共同で取り組むために両社が50%ずつ出資してSuez NWS Environmental (Hainan) Companyを設立したときにはじまった。この合弁会社は、産業廃水の処理能力が日量1万2000m3の既存の廃水処理プラントの運営管理を2018年3月に引き継ぐ。また、これをCNOOCの環境管理の看板プロジェクトにすることを念頭に、廃水処理プラントの運転基準の改善や施設の改修、BOO(建設・所有・運営)方式によるさらなる事業拡大などにも共同であたる。
両社幹部のコメント
今回の合意について、CNOOCグループの副社長とCNOOC Energy Technologyの会長を兼務するLv Boはこう述べている。「CNOOCは、最大手の国有石油化学企業のひとつとして、環境保護に長期的に取り組んでいく責任がある。われわれはつねに、安全と環境保護を第一に考えている。Suez NWSは環境保護プロジェクトにすぐれた実績があり、とりわけ産業向けプロジェクトの運営についての専門的知見にはすばらしいものがある。Suez NWSとの提携によって、CNOOCの環境プロジェクト管理のノウハウがさらにレベルアップし、環境サービスの能力が強化され、石油・ガス産業のグリーン開発への貢献が促進されることになる」
また、SuezグループのJean-Louis Chaussade CEOはこう述べている。「海南省東方化学廃水処理プラント・プロジェクトの力強い進展に加え、ひきつづきCNOOC Energy Technologyと提携していくことで、石油・ガス部門における環境プロジェクトを永続的かつより広範な協力のもとに進めていくことができるのは、まことに光栄なことだ。CNOOCの環境への強いコミットメントは、資源保存を追求するSuezのポリシーと完全に一致している。われわれは、この提携関係が新たな技術、新たなビジネス・モデル、そして新たなトレンドをもたらし、この業界の環境面での課題への取組に貢献してくれるものと確信している」