英国Severn Trent Water、苛性ソーダの違法水域排出で35万ポンドの罰金

英国のダービー刑事法院が2018年4月19日、Severn Trent Water社に対し、化学物質の違法排出のかどで35万ポンド(約5250万円)もの罰金を支払うよう命じる判決を下した。また、環境庁の裁判経費6万8003ポンドと被害加重罰金120ポンドの支払いも命じた。同社は、英国を代表する上下水道公益事業会社で、二大河川であるセバーン川とトレント川流域を担当している。

環境庁は2015年11月1日、イングランドのダービーシャー州を流れるアンバー川で、数百匹の魚の死骸が上がったとの報告を受けた。指摘された区域を調査し、またSevern Trent Water社従業員から事情を聴取した結果、同社が運営するオグストン下水処理場から排出された水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が汚染源であることがわかった。同社は、浄水場の室内で漏洩が発生し、内容物が水酸化ナトリウムで汚染された事象を発見した。そのあと同社は、それを洗浄して道路側溝に流し、放流管を通じてリバー川に排出してしまったという。

この汚染は、魚類に著しく大きな悪影響を与え、およそ3万匹が死んだと推定される。また、5kmにわたってアンバー川の生態系にダメージを与えた。環境庁はそれから2年にわたって、河川の生態系の自然回復状況をモニタリングした。その結果、ある程度の改善が見られたものの、2018年夏までに完全復旧できる見通しが立たないことがわかった。そのため、環境庁は、同社を相手取って提訴に踏み切ることにした。

Severn Trent Water社は、今回の事案に対し遺憾の意を表明しつつ謝罪した。同社は捜査に完全に協力するとともに、ダービーシャー野生生物基金に22万8000ポンドを寄付した。判決後、調査にかかわった環境庁の担当官は次のように述べた。

(1) 汚染を発生させたSevern Trent Water社に高額の罰金が科された。このような事案を避けたほうが、はるかに費用対効果が高い、という強力なメッセージを送る判決であったと思う。環境庁は、企業や個人が自らの責任を無視した場合、いつでも職務を執行していく。

(2) 汚染は、環境や河川の生態系にダメージを与える。今回の場合、水酸化ナトリウムの濃度は20%に達しており、もはや危険有害物質である。

(3) だれでも汚染の疑いに気づいたら、環境庁のホットラインに電話してほしい。そうすれば環境庁が被害を減らし、調査し、深刻なケースでは取り締まりを行うことができる。

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