2018年6月20日、フィリピン環境天然資源省(DENR)は、米系清涼飲料水大手ペブシコーラの現地法人ペプシコーラ・プロダクツ・フィリピン社(PCPPI:Pepsi Cola Products Philippines)が無許可で地下水を使用していたとして、下位機関である国家水資源評議会(NWRB:National Water Resources Board)を通じ、同社に1180万ペソ(約2440万円)の罰金を科したと発表した。具体的にPCPPIは、ルソン島モンティンルパ市にある工場において、NWRBの許可を受けることなく6機の取水用井戸を設置し、地下水を汲み上げていた。
当初PCPPIには、NWRBの下位機関である国家水資源評議会(NWRB:National Water Resources Board)2018年4月19日付けの命令において、1158万ペソ(約2400万円)の罰金が科されていた。その後、6月11日にNWRBがペプシ社の工場に立ち入り、問題となった井戸を封鎖し、あわせて罰金が1180万ペソに増額された。この立ち入り調査にあたってはDENRのマニラ首都圏環境法令執行タスクフォースおよびフィリピン国家警察が支援を提供した。NWRB訴訟・裁判ユニットリーダーのAtty. Archie Asuncion氏によると、PCPPIへの罰金は「不正利用した1日ごとに、井戸1機あたり1000ペソ」と定められており、1180万ペソは2013年1月10日から2018年6月11日までの期間を対象として再計算された額だという。この立ち入り調査は、2017年4月17日に効力が発生した最高裁判決(G.R. No. 22166)を履行するために実施され、井戸の封鎖はDENRのRoy. A. Cimatu長官の命令の下で実施された。
NWRBは全ての水資源の利用を監視・規制しており、今回の井戸の封鎖についてはフィリピンの水資源の枯渇を防ぐための措置だとしている。Antiporda氏は、2004年にNWRBが実施した委託調査を引用し、同地域の地下水はすでに危険な水準に達しており、地下水の汲み上げは地盤沈下の原因となると述べた。