台湾行政院環境保護署は、2018年12月22日、「地下水系への排水水質標準および健康有害物質の種類、制限値」の改正について公告した。今回の改正に伴い、本法規の名称についても、「地下水系への排出が禁止されている健康有害物質の種類、制限値」と改められた。
2018年6月13日に改正された「水汚染防止法」で、地下水系への廃水(汚水)の排出が全面的に禁止されたことを受けて、今回の改正が行われた。主な改正箇所は、以下のとおりである。
- 改正前の法規では、地下水系に廃水を排出する際の水質標準と健康有害物質の種類、制限値が付表に列挙されていたが、改正後の付表では、地下水系に排出するすべての有害物質の制限値が「検出されないこと」に改められた。
- 「検出されないこと」の定義
- 行政院環境保護署の標準的な検査測定方法により検査測定を行った後、その検査測定値が検出限界を下回っている状態。
今回の改正により、地下水系への排出が禁止された物質は計61種類。以下は、その一例である。
- カドミウム
- ベリリウム
- 全有害有機物
- 六価クロム
- ニッケル
- ヒ素
- ダイオキシン
「水汚染防止法」の規定(第32条第1項および第53条)によると、地下水系に廃水(汚水)を排出した場合、6万ニュー台湾ドル(約21万6000円)以上600万ニュー台湾ドル(約2160万円)の罰金が科される。また、事業者が健康有害物質を含む廃水(汚水)を地下水系に排出した場合、1~7年以下の有期懲役、拘禁刑が科されるか、もしくは20万ニュー台湾ドル(約72万円)以上2000万ニュー台湾ドル(7200万円)以下の罰金が科されるか、または併科される。
※ 1ニュー台湾ドル=3.6円で換算。
なお、上記公告の原文および改正前・改正後の対照表については、以下のURLより閲覧可能である(中国語繁体字)。
https://enews.epa.gov.tw/enews/fact_Newsdetail.asp?InputTime=1071222165135