2019年4月8~10日に「持続可能な開発の為の2030アジェンダへの地中海の貢献」というタイトルの下レバノンで開催されたベイルート水週間イベントで、エジプトの水資源省大臣が、2017-2037年国家水計画の一環として、2037年までに飲料水供給インフラに500億米ドル投資すると発表したと、Afrik21その他のプレスで報道された。
水資源大臣は、投資は9つの省により行われ、この投資計画を通じて、ナイル川流域の近隣諸国との協力関係を強化する意向であると述べている。エジプトは最近スーダンと共に、エチオピアでの6000MWのルネッサンスダムの建設を巡って同国と対立しているが、今後これらの国々と、エジプトにおけるアフリカ最大の河川の水管理の成功例を、シェアしたいと述べている。あ、
エジプトはナイル川の淡水に頼るだけでなく、エジプト北部での海水淡水化への投資も進めており、New Mansoura市で7500万ドル投資の淡水化プラントの建設が予定されている。2019年3月に、米国のFluence Corporation Limited社が、エジプトのHassan Allam EPC社と合弁で設立したInternational Co. For Water Services & Infrastructure (IWSI) が落札したもので、工期18ヵ月で40,000 m3/日の飲料水が供給される。New Mansoura市は人口25万人に増加することが見込まれる新しい都市で、淡水化プラントは将来的に80,000 m3/日に拡張される。
2017-2037年国家水計画では節水にも焦点があてられ、現在エジプト北部で建設中の汚水処理プラントの水は、灌漑用水として再使用されることになっている。またNew Alamein市では、投資額2800万ドルの新しい汚水処理プラントが2021年末までに竣工することになっているが、この処理水も灌漑に再使用される。節水対策としてはこの他、より少ない水分で成長する作物の研究や、雨水を利用する為の貯水タンクの建設を行っていると、大臣は述べている。
水資源大臣によればエジプト政府は、水質改善、節水、水源開発、戦略を成功に導くための各国家機関への協力体制の構築という、4つを軸にした国家戦略を進めている。