ポルトガルで、2019年8月21日、家庭排水や産業排水を灌漑や道路清掃、工場などで再利用するにあたっての要件などを規定した政令2019年119号が公布された。排水から再利用する水の精製、また再利用水を使用するライセンスが必要であり、ポルトガル環境庁が発行する。ライセンスは最長で10年間付与され、更新は可能である。本政令は家庭や企業で排出する排水を灌漑や工場などで再利用することを規定するもので、飲料水への再利用は対象外となる。
再利用される排水(ApR:Água para reutilização)を精製し自ら使用するライセンス(ApR精製ライセンス)と第三者が精製したApRを使用するライセンス(ApR使用ライセンス)があり、ポルトガル環境庁(APA, I. P.:Agência Portuguesa do Ambiente, I. P.)が発行する。ライセンスには、社名、ApR使用目的、漏液・汚染などの防止措置、ApRの量、ApRの水質基準、精製・使用の管理プログラムなどが記載される。ライセンスの期間は最長10年間で更新可能である。
水質基準は再利用目的によって、灌漑用や道路清掃用、産業用の基準値が定められている。
APRの1日の精製量、使用量が500m3以上である場合は、毎日、精製、使用を監視・モニターしなければならない。
本政令は、公布日の翌日から発効する。
本政令の原文は以下で閲覧可能である。
https://dre.pt/web/guest/home/-/dre/124097549/details/maximized?serie=I&day=2019-08-21&date=2019-08-01