タイ・バンコク都議会、下水処理料金の徴収に関する条例を承認

2019年6月6日に現地で報じられたところによると、タイ・バンコク都議会で下水処理料金を徴収する条例案が承認された。2004年の条例案の提出から14年越しの承認であった。

かつて「東洋のベニス」と呼ばれたバンコクは現在、水質汚染と廃棄物の問題でより有名となっている。これは下水処理施設の不足のみを原因するものではなく、バンコク都内全50区のうち、下水を適切に処理していたのは半分以下の21区にすぎなかった。こうした状況下、都議会ではバンコク都民から下水処理料金を徴収する条例案を承認した。承認までに14年あまりを要したこの条例にはバンコク都民の80%が賛成しているという。議会の承認後、同条例案はAswin Kwanmuang都知事の署名を待っている状況である。条例案の審議を担当した委員会のKamron Komolsupakit委員長は次のように説明した。「都職員が行った調査では、対象者1111人のうち80%に上る住民が下水処理料金の徴収に賛成しました。」

Kamron氏によると、本条例の下で徴収される下水処理料金の概要は以下のとおりである。

  • 下水処理料金の計算は、各世帯/事業所の上水道の月間利用量(m3)の80%を算定基礎として行う
  • 本条例は、利用者を3つのグループ(一般家庭、商業ビル、工場)に分類し、グループごとに2~8バーツ(7~26円)/m3と異なる料金を課す。
  • 一般家庭の料金は2バーツ(約7円)/m3で月額およそ50バーツ(約176円)になると予測される
  • 商業ビルの料金は4バーツ(約14円)/m3、工場の料金は8バーツ(約26円)/m3である
  • 手始めに、都が運営する8ヶ所の下水処理施設のサービスを受けている21の区から下水処理料金の徴収を開始する

本条例の施行により、都は年間約5億バーツ(約17億6000万円)の歳入を得ると見込まれている。

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