ドイツ内閣、河川水域への硝酸塩流入を減らす水管理法改正法案を閣議決定

ドイツ連邦内閣が2020年3月11日、河川流域の硝酸塩を削減する水管理法改正法案を閣議決定した(下記URLに改正法案)。
https://www.bmu.de/fileadmin/Daten_BMU/Download_PDF/Glaeserne_Gesetze/19._Lp/whg_aenderung/Entwurf/whg_aenderung_refe.pdf

改正案では、現行の第38条のあとに、次の第38a条を挿入する。

第38a条
河川水域に隣接し、かつ、平均斜度が少なくとも5%以上の農業用地を対象に、岸辺から陸側5メートルの区域を緑地帯とするよう義務づける。これにより、肥料が河川水域に流入するのを防止する。なお、この緑地帯は、牧草地など他の目的で利用することができる。

改正のバックグラウンド

欧州委員会は現在、EU硝酸塩指令の不適切な実施を理由として、ドイツを相手取って条約違反訴追手続きを進めているところである。ドイツ環境省によると、今回の水管理法改正は、本事案にかかる2018年6月21日の欧州司法裁判所判決を実施するのに資するものである。同判決によると、2014年9月現在、硝酸塩による汚染から地下水を保全するのに、ドイツがこれまで講じてきた措置が不十分であることが明らかなうえ、なんら追加の措置も、またなんらの措置の強化策も講じていない点が違反とされた。欧州委員会はこの判決にのっとり、2017年にドイツ肥料令を改正する必要性を提起した。さらに欧州委員会は、ドイツがまだ判決を実行に移すために必要な措置を講じていない、として催告書を発出、2段階からなる違反訴追手続きの第2弾を発動している。

今回の法律改正は、ドイツ連邦議会の承認が必要である。連邦議会は2020年4月3日に、ドイツ肥料令改正令案といっしょに、本件を処理することになっている。ドイツ環境省によると、これら2つの法令が予定どおり可決された場合、欧州委員会は、ドイツに対する第2弾となる違反訴追手続きとそれに関連する罰金支払い請求を取り下げるものと予想される。

ドイツの水管理法

ドイツは憲法第20a条で、「自然的生活基盤の保護」を国の目標として掲げている。総合的な環境保護の枠組みでは、河川流域の保全が最上級の位置を占めている。その河川流域保全法の中核が水管理法であり、もともと1957年に制定された。その目的は、人間の生活基盤としての、また動植物の棲息空間としての河川流域を持続的に管理して保全することにある。

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