中国河北省人民政府は2020年1月22日、「河北省河川・湖保護および整備条例」(以下「条例」)を公布し、3月22日より施行する。「条例」は、河川・湖の保護を強化し、河川・湖の生態を改善するため、「中華人民共和国水法」および「中華人民共和国水汚染防止法」に基づき作成された。「条例」の主な内容は下記のとおり。
- 計画編制
河北省では、保護する河川・湖は計画により規定されおり、河川・湖保護リスト制度が実施されている。「条例」により、省人民政府は、全面的に調査、評価した上で、各業種、社会からの意見を聞き、計画を立て、リストを編制する。
- 汚染防止および生態改善・回復
「条例」により、各級人民政府は、水汚染物質の排出総量を制御したり、法律違反の排出口を封鎖するなど、汚染防止のために努めなければならない。
また、各級人民政府は、水系浄化のための植物を植えたり、河川・湖の生態環境の改善・回復に努めなければならない。
- 保護および監督
「条例」により、保護する河川・湖において下記のような行為は禁止される。
- 洪水の流れを妨害する建物や構築物の建設、河川・湖の安定に影響を及ぼし河川・湖の安全に危害を及ぼす活動;
- 洪水を引き起こす河川・湖において妨害となる樹木などを植える行為;
- ダム、水門、水路、溝渠などの施設を破壊、占有、毀損する行為;
- 水に関するプロジェクトにおいてプロジェクトに影響を与える爆破、井戸掘り、採石などの行為;
- 河川・湖での埋立;
- 飲用水源保護区内での汚染物質排出口の設置;
- 法律に違反し河川・湖へ排水、廃液、廃棄物を排出する行為;
- その他の違法行為。
- 「河(湖)長」制度
河北省では、「河(湖)長」制度が実施されている。「河(湖)長」制度とは、「河(湖)長」を務める各級政府機関の主要責任者により、対応する河川や湖の管理や保護業務を指導する制度である。
- 法律責任
「条例」では、条文に違反した場合の処罰などが規定されている。