インドの環境裁判所は、2015年5月18日、首都デリーに位置する3件の高級5つ星ホテルに合計90万ルピー(約180万円)の罰金を科すことを決定した。これらのホテルは、当局が注意したにもかかわらず、雨水収集システムの設置を怠ったか、または設置されていても正常に稼動していなかった。デリーでは、地下水の過剰採取による地下水面低下が大きな問題となっており、同裁判所は、2013年以降、病院、ホテル、政府系建物および民間の建物に対して雨水収集システムの設置を求めるいくつもの命令を出している。
このたび罰金が命じられた3件のホテルとその違反事例概要は、以下の通りである。
No. | ホテル名 | 違反概要 | 罰金額 |
---|---|---|---|
1. | Hotel Excelsior Ltd (シャングリラホテル) |
雨水収集システムNo.1: よどんで悪臭を放った水を確認。またシステムのサイズが測定できず、施工者もそのデータを提示できない。雨水収集システムNo.2: システムがごみに埋もれており、検査不能。 |
50万ルピー (約100万円) |
2. | DoubleTree by Hilton Hotel New Delhi – Noida – Mayur Vihar (ダブルツリーbyヒルトン・ニューデリー・ノイダ・マユール・ビハール) |
3つのすべての雨水収集システムが汚い水で満たされている、または浸水している。 タンクがあふれること防ぐ排水管が、下水網に接続されている。 |
20万ルピー (約40万円) |
3. | Crowne Plaza New Delhi Mayur Vihar Noida (クラウン プラザ ニューデリー マユール ビハール ノイダ) |
3つうちの2つの雨水収集システムが汚い水で満たされている、または浸水している。 3つのシステムすべてで、タンクがあふれること防ぐ排水管が、下水網に接続されている。 |
20万ルピー (約40万円) |
上述のインド環境裁判所の命令文(2015年5月18日付け)は、以下のURLより閲覧できる(英語表記)。
http://www.greentribunal.gov.in/Writereaddata/Downloads/94-2013(PB-I)OA18-5-2015.pdf
その他のホテルや病院、モールにも同様の罰金
また、これに先立つ2015年5月11日、同裁判所は、デリー市内の複数の病院、モールおよびホテルに対して、雨水収集システムの不備を理由に同様の罰金命令を出しており、最大で75万ルピー(約150万円)の罰金が命じられた。2015年5月11日付けの命令文は、以下のURLより閲覧できる(英語表記)。
http://www.greentribunal.gov.in/Writereaddata/Downloads/94-2013(PB-I)OA11-5-2015.pdf