ベトナム、節水と水の効率的な利用に関する政令を制定――水の再利用や節水設備などに対してインセンティブを付与

ベトナムで、2015年6月8日、「節水および水の効率的な利用へのインセンティブに関する政令54/2015/NĐ-CP号」(以下、本政令)が制定された。本政令は、2012年に公布された水資源法(17/2012/QH13)*1に基づくもので、水の再利用、雨水の収集、塩水の脱塩、節水設備の製造および輸入に対する融資の優遇、および、税金の減免などを規定している。本政令はベトナムにおいては全く新しい法令であり(過去の既存の法令に替わるものではない)、国内の節水に向けたビジネスの促進が期待される。

http://moj.gov.vn/vbpq/Lists/Vn%20bn%20php%20lut/View_Detail.aspx?ItemID=30417

1. 適用範囲

本政令は、節水および水の効率的な利用に向けた活動に対して税の減免と融資の優遇を定めるもので、ベトナム領土上で関連する活動を行う国家機関、組織、家庭、個人に適用する。

2. インセンティブの原則

  1. 組織、個人は、本政令に規定される節水および水の効率的な利用に関わる活動を複数実行する場合、それぞれの活動に対してインセンティブを享受することができる。
  2. あるひとつの節水および水の効率的な利用に関わる活動に対して、国や地方より複数のインセンティブを受ける場合、そのなかで最も良い条件のインセンティブを享受することがきでる。
  3. 旧式の設備への投資に対しては、インセンティブは与えられない。

3. インセンティブの詳細

活動 条件 インセンティブ
水の再利用、
水の再循環
  • 1日当たり40 m3以上の廃水を回収または処理するための、新規または改修プロジェクトを行う。再利用の目的に応じた水質が国家技術基準を満たす。処理後の水の80% 以上を自らの活動に利用する。
  • 1日当たり500m3以上の再循環水のための新規または改修プロジェクトを行う。ただし、冷却およびその他の循環プロセスに使用する水については対象外。
  • 灌漑システムを修復、改修することで水を回収する。給水した15%以上の水を回収し、再利用する。
  • 優遇融資の享受
  • 法人所得税の減免
生活用水を目的とした雨水の収集
  • 国境地帯、島または淡水不足地域に、500m3以上のタンクを設置し、雨水を収集し、生活のために利用する組織。
  • 山間部、少数民族地域、国境地帯、離島等における生活のため、5m3以上のタンクを設置し、雨水を収集し、生活のために利用する家庭、個人。
優遇融資の享受
生活用水を目的とした海水および汽水の脱塩
  • 生活用水の確保を目的として、島嶼地域にて容量2m3/日または塩害地域にて容量10m3/日の脱塩設備の工事に投資する組織
  • 生活用水の確保を目的として、島嶼地域にて容量0.2m3/日または塩害地域にて容量1m3/日の脱塩設備の工事に投資する家庭、個人
優遇融資の享受

4. 節水に関する設備および技術の生産、輸入に対するインセンティブ

国の定める節水基準を満たす製品の生産に対する投資に対してインセンティブが与えられる。具体的には、優遇融資の享受、節水設備への投資または生産活動による収入に対する法人所得税の減免である。また、ベトナム国内ではまだ未生産だが、国家の節水基準を満たす設備を輸入する組織、個人に対しては、その輸入税が減免される。

5. 農業生産に対するインセンティブ

国家の節水基準を満たす技術または手段を使用し、規模として稲作0.5ha以上またはその他の穀物1ha以上について節水型の灌漑を実施する組織、個人は、S優遇融資を享受することができる。

*1 EWBJ43号に関連記事有り「ベトナム、改正水資源法が国会で成立

タグ「, , 」の記事:

2020年4月11日
ドイツ環境省、第11次排水令改正令案を公開協議――BATへの包括的適応を推進
2020年4月3日
中国河北省人民政府、「河北省河川・湖保護および整備条例」を公布し施行――飲用水源保護区内での汚染物質排出口の設置など8種類の禁止行為について規定
2020年3月24日
米EPA、水資源の持続可能性確保などを目的とした水再利用の国家行動計画を発表
2020年3月24日
米EPA、飲料水中のPFOAとPFOSの規制を予備決定
2020年3月19日
ドイツ内閣、河川水域への硝酸塩流入を減らす水管理法改正法案を閣議決定