2015年7月22日、南アフリカ共和国政府広報は、同国の水・衛生省 （DWS：The Department of Water and Sanitation）が7月21日、水資源情報のオンラインデータベース「National Integrated Water Information System（NIWIS）」^*1を新たに導入し、省庁間の情報共有の取り組みを一段と進めたと発表した。DWSの企画・情報次長を務めるDeborah Mochotlhi氏によれば、水・衛生省は様々なニーズを抱える数多くの事業部で構成されているが、これらの各事業部は長きにわたり、横の連携なく仕事をしてきたという。しかし今回、NIWISを導入したことにより、様々な部署からの情報が一元化され、単一のシステム上で簡単にアクセスできるようになると期待されている。NIWISの構築はまた、公共サービスの効率と効果を高めるために情報通信技術を最大限活用する政府の継続的な取り組みの上でも重要なものであった。

NIWISの第一の目的は、水の管理機関、水のユーザー、公衆、研究者、科学者、政策決定者、水に関心のある人々に情報を提供することである。NIWISは水に関連する重要な情報を含み、整合性のあるユーザーフレンドリーなもので、PCやモバイルから24時間いつでもアクセスできる。このシステムを通じて、ユーザーは国全体から詳細な自治体レベルまで、水に関する基礎的なデータを調べることができる。

以下に、NIWISで得ることができる情報の一部を例示する。

• 水のモニタリング情報（飲用水や排水の質、廃水処理にかかる許認可など）
• 水の使用に関する情報（登録された使用量に対する実際の使用量、部門ごとの収益、無収水(下図)など）
• 規制関連情報（強制執行事例の管理に関する情報、法令遵守、行為ごとの違反の分類、部門ごとの違反の分類、法的プロセスの状況）
• 水サービスに関する情報（地方自治体の戦略的自己評価、地方自治体の水インフラへのアクセス、水道料金など）
• 水の使用に関する許認可（原水の料金、水使用にかかるライセンス申請の進捗状況など）
• 水道部門の各種政策決定者、代表者、外部のステークホルダーに関する情報

図　NIWISに収載されているデータの一例（国内の無収水の状況）
（出典：NIWIS）

*1 NIWISの導入により、水部門のコミュニティおよび一般市民がメリットを享受するだけでなく、最も重要な意義として、迅速かつ効果的な意思決定が実現するとみられている。
http://niwis.dwa.gov.za/