GE、UF膜事業の拡大に向けてオランダのIMT Solutionsを買収

2015年10月5日、米GE社がオランダに拠点を置く膜メーカー、IMT Solutions(本社:オランダ・ゼーウォルデ、以下「IMT社」)を買収すると発表した。IMT社は、独自の中空糸膜技術をベースに、限外ろ過および精密ろ過技術のための膜を開発・製造するメーカーである。

GE、既存の中空糸膜「ZeeWeed」技術を補強

IMT社の限外ろ過膜技術を取得することで、GE社は、自社技術「ZeeWeed」技術(中空繊維をベースとした高機能の限外ろ過膜)をさらに補強することを目指す。GE社はIMT社を代表する「SevenBore」*1などの限外ろ過膜について、高圧処理に適し、かつ洋上での石油・ガス掘削に使用する上で理想的であると評価する。今回のIMT社の買収についてGE社は、同社の水処理製品を拡充し、かつ卓越した水処理へのコミットメントを確かなものとするものだと自信をのぞかせる。GE社では、自らのグローバルな事業展開と販売・実行力を活かし、IMTの膜技術を自社技術に統合し、世界に大きく展開していくとしている。

今回の買収についてGE Water & Process Technologiesの社長兼CEO、Heiner Markhoff氏は次のように述べた。「過去20年間以上にわたって、ZeeWeed製品群は大きく成長・進化し、業界トップクラスの限外ろ過膜製品に成長してきました。GEは、継続的な技術進歩の他、水の再利用、廃水処理、水処理が難しい原水の市場において成長するべく尽力しています。IMT社とそのポリエーテルサルホン膜技術を手に入れることで、我々の現在の製品群は補強され、また更なる成長のための素晴らしい機会を得られるでしょう」

一方で、IMT社のgeneral manager、Nico Marsman 氏は次のように述べた。「GEとIMT Solutionsは、膜利用技術を通じて水の浄化し、再利用するというコミットメントを共有しています。.我々の技術は素晴らしいシナジー効果を発揮し、共により広い市場に展開していくことが可能となるのです」

限外ろ過膜は、飲用水生成、廃水処理、三次処理、水再利用の他、工業用給水や逆浸透の前処理にも利用されており、世界各地で様々な都市用水、工業、商業用途に利用されている。GEの「ZeeWeed 500D」膜は処理が難しい、固体分の多い水処理に用いられている他、「ZeeWeed 1000」膜は大規模プラントおよび装置据付け時に、「ZeeWeed 1500」膜は中小規模のプラントで利用されている。

*1 IMT社が病原体除去に関する能力と信頼性を誇る中空繊維。1本の繊維の中に、7本の中空管(内径約0.9mm)を設けることで、通常の中空繊維(内部に中空管を1本持つもの)と比較して20倍の機械的強度を実現。中空の内径が大きいため、特に懸濁固体の負荷が高い原水への適応度が高い。また、素材にポリエーテルスルホンを用い、永続的に親水性が持続し、ファウリングを低減した。

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