中国江蘇省は、2016年2月15日、「江蘇省汚水処理費の徴収・利用の管理実施弁法*1」(以下、「弁法」)を公布した。「弁法」は中国で初めて、化学工業・医薬・鉄鋼・捺染・製紙・電気めっきなどの汚染排出企業に対して、「環境保護信用評価等級」で汚水徴収基準を決め、異なる基準に基づき汚染処理費を徴収する手段を打ち出している。同「弁法」の公布により、江蘇省は徴収基準を調整し、差別化汚水処理費徴収政策を実施し、都市・鎮の汚水処理費を全面的に徴収するようになった。
江蘇省で実施されている差別化汚水処理費徴収政策は、「市民より企業の汚水処理費の徴収基準が高く、一般産業より重汚染産業の汚水処理費の徴収基準が高い」という原則に基づき策定されており、企業の環境保護信用評価等級に応じて差別化の汚水処理費を徴収するうえで、ダイナミック調整メカニズムを構築した。
(1) 企業の環境保護信用評価等級で徴収基準を定める条件を備える地域
- 環境保護部門が決めた企業の環境保護信用評価等級で各等級の徴収基準を定める。
- 「赤色等級」の企業に対して、通常処理費に加えて最低0.6元/m3の追加処理費を徴収する。
- 「黒色等級」あるいは連続2回以上「赤色等級」と評価された企業に対して、通常処理費に加えて最低1元/ m3の追加処理費を徴収する。
(2) 企業の環境保護信用評価等級で徴収基準を定める条件を備えていない地域
- 重汚染産業に対して、一般工業・商業の2.5倍で処理費を徴収する。
なお、「赤色等級」および「黒色等級」の企業に対して実施される差別化汚水処理費は、環境保護信用評価された年度のみとなる。つまり、該当企業は次年度に、環境保護信用評価等級は「黄色等級」以上になれば、差別化汚水処理費が実施されない。
*1 http://www.jshb.gov.cn/jshbw/hbxy/zcfg/201602/P020160215543040939886.doc