炭鉱の町として知られる陝西省楡林(Yulin)市のある施設が、石炭化学プラントの廃水処理に関する新たな規制に対応するため、GEの高度な廃液排出ゼロ(ZLD)技術を導入することになった。この施設は陝西未来能源化工有限公司(Shaanxi Future Energy Chemical Co., Ltd.)の石炭化学プラントで、GEのZLD蒸発・結晶化システムにより、廃液の排出をなくし、水の再利用を可能にするのが狙いである。
中国は世界でも有数の石炭産出国で、石炭火力発電が国の電力の大半をまかなっている。石炭はまた、さまざまな化学製品のきわめて重要な原材料でもある。水質汚染防止行動計画、改正環境保護法、第13次5ヵ年計画などの新たな規制のもとで、石炭化学プラントは廃液の環境への排出をゼロにしなければならず、プラントの操業許可を得るにはZLDシステムを導入する必要がある。
GEの廃水処理システムの概要
GEのZLDシステムを導入するのは陝西未来能源化工の紅墩(Hongdun)工場で、ここでは石炭を液化してさまざまな化学製品を生産している。ここに導入されるGEの廃水処理システムには、蒸気再圧縮型ブライン濃縮装置、結晶化装置などが備わっており、すでに実績のある費用対効果性の高いZLDソリューションを提供する。このシステムは2016年半ばに納入され、2017年3月に運転を開始する予定で、紅墩工場の廃水を毎時40立方メートル処理することになっている。
今回の中国企業へのZLDソリューション提供について、GE PowerのWater & Process Technologies部門でエンジニアード・システムのグローバル・リーダーを務めるKevin Cassidyはこう述べている。「これは、GEが近年になって中国で展開してきたこの種のプロジェクトとしては6番目のもので、ZLDソリューションの第一級の世界的プロバイダーとしてのGEの名声をさらに高めるものだ。われわれのソリューションが採用されたことは、ZLD廃水処理技術などの革新的な方法を使うことにより、環境への影響を最小限に抑えつつ石炭化学産業を発展させたいという中国の願いのあらわれだ」