ベトナム政令40/2019/ND-CPの詳細――貯水池の設置や排水の自動連続モニタリングなど

ベトナムで2019年5月13日に制定された「『環境保護法』の実施のための複数の政令を改正・補充する政令40/2019/ND-CP」(以下、本政令)だが、現地に生産拠点を構える日系企業にとっては大きな影響を与えるものと考える。本政令は、現行の4つの政令を部分的に改正するものとなっているが、特に「廃棄物及びスクラップの管理に関する政令38/2015/ND-CP」における改正点に注目したい。

以下、その主なポイントを解説する。

貯水池の設置

政令38/2015/ND-CPの第37条(廃水の収集と処理)について、新たに第4項~第8項が追加された。そのなかでも特に「第6項」では、特定業種に対して「貯水池」の設置を要求する内容となっており、具体的には以下の通り。なお、対象となる業種は、本政令の付属書第Iセクション付属書IIaで定められる「環境汚染の危険性がある生産形態に該当するプロジェクト」であり、電気電子機器、紙・パルプ、電池・バッテリー、化学品など全17業種となっている、。

対象 要件
設計上の廃水量が50~500m3未満/日 廃水処理システムのトラブル時に廃水を環境中に排出させないために、廃水を最低1日分貯蔵できるタンク、設備、用具または手段(全てをまとめて「緊急用貯水池」)か、廃水を循環処理できる緊急用貯水池を有すること。
設計上の廃水量が500~5000m3未満/日 廃水処理システムのトラブル時に廃水を環境中に排出させないために、廃水を最低2日分貯蔵できる貯水池、または、廃水を循環処理できる貯水池を有すること。
設計上の廃水量が5000m3以上/日 廃水処理システムのトラブル時に廃水を環境中に排出させないために、廃水を最低3日分貯蔵できる生物学的処理を取り入れた貯水池、または、廃水を循環処理できる貯水池がある。

この規定の追加は、2016年にベトナム中部で起きたフォルモサ社の製鉄所からの排水による大規模な環境汚染事故が背景にあると言われているが、企業側の負担が大きいことから、本政令のドラフト時点でも産業界からは反対の声があった。

そのほか本政令は、特定工場などにおける排水の自動連続モニタリング・システムの導入についても規定している。

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