中国全国人民代表大会法執行検査グループ、「水汚染防止法」実施状況の検査報告を発表――工業企業の問題や今後の対策などに言及

中国全国人民代表大会常務委員会は、2019年8月30日、法執行検査グループによる「中華人民共和国水汚染防止法」実施状況の検査報告について発表した。2019年4月~6月の検査期間中、法執行検査グループにより、8つの省(四川省、江蘇省、湖南省、河北省、広東省、安徽省、雲南省、貴州省)における事業者201社などに対して検査が実施された。同報告によると、水汚染防止業務は全体として成果を挙げており、取締りの強化により2018年度の罰金・没収金額の総額は、前年同期比32%増の1528000万元(約2292億円)にまで達しているが、残された課題も多い。以下は、同報告で提示された幾つかの課題の概要である。

汚染物質排出許可制度推進の遅れ 「汚染物質排出許可証申請および発給技術規範」の制定作業が遅れており、いまだ36本の技術規範が未発表の状態にある(40本は公布済み)。また、許可証が発給済みの24業種の状況を見ると、重点対象以外の多くの事業者が汚染物質排出許可証による管理の範囲に組み込まれておらず、同制度による規制も限定的な状態にある。
悪臭汚水(黒臭水)対策の問題 「水汚染防止法」第29条では、「県級以上の地方人民政府が悪臭汚水対策を実施する」と明確に規定されているが、一部の地域では対策が不十分な状況が見られる。例えば、湖北省の地級市における市街地では、37箇所の悪臭汚水対策が未完了の状態にある。
工業企業による違法排出問題 企業による違法な汚染物質排出などの問題が後を絶たない。広東省では、一部の企業が雨水の配水管を利用して違法に有毒・有害工業廃水を排出しており、排出された重金属は基準値の数十倍にまで達していた。福建省の水道事業関連企業に対する検査では、水質サンプルのすり替えやデータの偽造など、同企業により行われていた悪質な違法行為が判明した。

こうした問題を受けて、同報告では、「双随機」制度(検査対象となる企業と検査官[検査機関]の双方をコンピューターにより無作為に選ぶ制度)による管理監督の強化や、工業集積エリアにおける汚染対策の強化、工業企業による汚水排出に対する厳格な管理監督、2020年末までに関連工業業種を対象にした汚染物質排出標準の制改定を行うことなどの対策を講じて、水汚染防止法の徹底的な実施を図っていくことについて言及されている。

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