ブラジル・リオデジャネイロの上下水会社CEDAEの飲料水の水質問題で、民営化プロセスが困難になる可能性あり

ブラジル・リオデジャネイロ州の上下水公社CEDAEは2017年から、連邦政府への債務支払い金利を免除する条件として民営化プロセスを進めることになっており、その第一フェーズで、民営化は官民連携(PPP)の形で進められることが決められている。第二フェーズでは、ビジネスプランと民間会社の役割や責任を決めることになっているが、連邦政府の監査審議会によればプロセスは1年以上遅れている。CEDAEは利益を出している公社であり、民営化は論議の的となってきたが、政府関係者によれば、リオデジャネイロ州の上下水インフラは、政府もCEDAEも拠出できない多額の投資による改善が必要であり、民間企業の参画は必須となっている。

今年に入ってCEDAEの飲料水を使用する住民から、水の色が濁って臭いがするという苦情が出され、検察局が民間団体と州立大学を使って飲料水のサンプリング検査を実施した。その結果、水の色と臭いは藻によるゲオスミンが原因であり、人の健康には支障はないが、飲料用にはボトル水を使用した方が良いという勧告が出された。しかしこの問題により、CEDAEに参画する企業は上水プロセスに多額の投資をする必要があると認識されてCEDAEの価値が下がり、官民提携による民営化が困難になるという意見が、投資ファンドの専門家などから出されている。

なおブラジルの国立社会経済開発銀行BNDESの官民提携課によれば、CEDAEの民営化により325憶レアルが投資され、リオデジャネイロ州の飲料水は8~14年で完全普及、下水は15~20年で完全普及するとされている。

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